【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.08】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22GA0017
利用課題名 / Title
メタマテリアルを含むTHz帯微小共振器の作製
利用した実施機関 / Support Institute
香川大学 / Kagawa Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
リソグラフィ・露光・描画装置,成膜・膜堆積,THz,メタマテリアル,フォトニクス・プラズモニクス/Photonics and Plasmonic
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
鶴町 徳昭
所属名 / Affiliation
香川大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
安西春樹,三木愛加,水谷颯真
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
GA-002:マスクレス露光装置
GA-003:スピンコータ-
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
これまでにTHz技術として様々な発生、検出方法が提案されるとともに制御デバイスの発展も期待されている。現在までにTHz波の制御デバイスとしてレンズやミラー、偏光板のようなpassiveなものからテラヘルツスイッチのようなactiveなものまで様々なものが提案されてきた。そのような中、THz波制御デバイスの作製にあたってメタマテリアルの利用が注目されている。今回、磁気応答と共振器中の磁場成分との強結合現象の実現を目指して矩形孔(Rectangular Hole: RH)メタマテリアル構造やワイヤグリッド(Wire Grid: WG)に着目し、試料の設計・作製を行った。
実験 / Experimental
RH構造メタマテリアルおよびをSU-8フィルム上に作製した。マスクレス露光装置(大日本科研社製MX-1204)によりパターン描画を行い、金薄膜を真空蒸着装置(ULVAC社製 VPC-1100)により成膜後、リフトオフ法により構造を作製した。その後、SU-8をスピンコーター(ミカサ社製、 1H-DX2)により表面に塗布しハードベイクを行うことでRH構造メタマテリアルを含むSU-8フィルムが作製できた。同様の方法でWGを含むSU-8フィルムが作製でき、これらを組み合わせることでRHとWGからなるTHz帯微小共振器構造が作製できた。その後これらの透過特性をTHz時間領域分光により調べた。
結果と考察 / Results and Discussion
RH構造とは金属板に長方形型の開口を設けた構造であり、入射電磁波の磁場成分と相互作用するため、磁気双極子による共鳴を有すると考えることができる。その一方で、共鳴以外の周波数においては鏡として作用する。一方、WG構造はTHz帯において鏡として作用することがわかっており、この二つを組み合わせることで共振器中に磁気双極子を含むような構造となる。そして、共振器長を合わせる事で磁場と磁気双極子の結合状態を作ることが可能となる。Fig.1に作製したRHとWGからなるTHz帯微小共振器構造の顕微鏡像を示す。また、Fig.2にその透過スペクトルを示す。これからわかるように透過ピークの分裂が観測でき、これは予想した磁場と磁気双極子の基準振動モード分裂であることが分かった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 RHとWGからなるTHz帯微小共振器構造の顕微鏡像
Fig. 2 RHとWGからなるTHz帯微小共振器構造の透過スペクトル
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
共同研究者:THz時間領域分光においてご協力くださった徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所安井武史教授、時実悠講師、吉田浩子特任技術員に感謝します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Dieuthanh Nguyenthi, Normal Mode Splitting in THz Fabry–Pérot Microcavity Containing Electric Split-Ring Resonator or Tilted Cut Wire Metamaterial, Journal of the Physical Society of Japan, 91, (2022).
DOI: https://doi.org/10.7566/jpsj.91.044403
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Haruki Anzai, Magnetic strong coupling between rectangular hole metamaterials and Fabry–Pérot microcavity in THz region, Applied Physics Letters, 122, (2023).
DOI: https://doi.org/10.1063/5.0123989
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- ・"Strong coupling interactions in THz microcavities containing magnetic metamaterials" Noriaki Tsurumachi, Haruki Anzai, Manaka Miki, Yu Tokizane, Hiroko Yoshida, Takeshi Yasui and Fusao Shimokawa The Third International Symposium on Frontiers in THz Technology (FTT2022) (2022/11/16-18, Fukui, Japan)
- ・THz帯における矩形孔メタマテリアルを含むファブリーペロー微小共振器の作製及び透過特性解析”,安西春樹、東原奈央、井上晶太、時実悠、吉田浩子、安井武史、下川房男、鶴町徳昭,第83回応用物理学会秋季学術講演会、東北大学、2022年9月22日.
- ・THz帯における矩形孔メタマテリアルを 用いたファブリーペロー微小共振器の作製及び透過特性解析”,安西春樹、東原奈央、井上晶太、時実悠、吉田浩子、安井武史、下川房男、鶴町徳昭, 2022年度応用物理・物理系学会中国四国支部合同学術講演会、香川大学、2022年7月30日.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件