利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.09】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22GA0014

利用課題名 / Title

余剰受容体計測に向けたマイクロ流体デバイス開発

利用した実施機関 / Support Institute

香川大学 / Kagawa Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

余剰受容体,マイクロ流体デバイス,リソグラフィ・露光・描画装置,細胞計測


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

平野 勝也

所属名 / Affiliation

香川大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

中村瑠太

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

GA-002:マスクレス露光装置
GA-003:スピンコータ-
GA-006:・走査電子顕微鏡群(EDS付き)・イオンコータ


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

余剰受容体の定量化計測を目的として、細胞トラップ・薬剤刺激機構を有したマイクロ流体デバイスの開発に取り組んだ。フォトリソグラフィー関連装置を利用し、細胞トラップ用マイクロオリフィスアレイを有するSU-8シート構造及びPDMSマイクロ流路を作製した。

実験 / Experimental

【利用した主な装置】
マスクレス露光装置(大日本科研社製、 MX-1204)、スピンコーター(ミカサ社製、 1H-DX2)、走査電子顕微鏡(EDS付き)(JEOL社製、 JSM-6060-EDS)、反応性イオンエッチング装置(サムコ社製、RIE-10NR)

【実験方法】
流路構造はマスクレス露光装置により作製したフォトマスクを用い、SU-8をパターニングした鋳型にPDMS(polydimethylsiloxane)をモールディングすることで製作した。細胞を捕捉するSU-8シート構造はSi基板上に犠牲層としてOmnicoatTM(Micro chemical INC.)を塗布し、マスクアライナを用いてSU-8で薄膜構造を製作した後、2層目のSU-8をパターニングしサポート層を形成した。オリフィスシートをSi基板上に作製後、SU-8構造に残渣除去のため、反応性イオンエッチング装置(サムコ社製、 RIE-10NR)を使用してオリフィスシート表面に酸素プラズマ処理した。その後、犠牲層を溶解することによりシートをSi基板から剥離させた。PDMS流路とSU-8シートはPDMS硬化剤を塗布することによりボンディングを行った。ボンディング時、下層流路とオリフィスシートの接着性が弱くリークが発生したため、Si基板上からオリフィスシートを剥離後、反応性イオンエッチング装置を使用して裏面に酸素プラズマ処理をすることで接着性を向上させた。作製したデバイスは走査電子顕微鏡により寸法評価を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

オリフィスシート裏面に酸素プラズマ処理を35 sccm/ 25 Pa/ 100 W/ 30 sで行った。マイクロビーズ(Fluoresbrite ® YG Microspheres 1.00 µm)を流路に導入するリーク実験を行ったところ、リークは確認されなかった(Fig. 1)。以上のことから、オリフィスシート裏面への酸素プラズマ処理によって、下層流路との接着性が向上し、デバイスリークの改善を達成した。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 Leakage in the microfluidic device; without (left) and with (right) O2 plasma treatment. Red area shows the leakage due to insufficient bonding.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

・関連文献:松井 祐樹、Muhammad Thaqif、 Iqbal Bin Mokhtar、高尾 英邦、下川 房男、平野 勝也、寺尾 京平、 “余剰受容体の定量解析を目的としたマイクロ流体デバイスの開発”, 3B1-13, SICE2019, 2019


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Ryuta Nakamura, Hidekuni Takao, Fusao Shimokawa, Katsuya Hirano, and Kyohei Terao “MICROFLUIDIC DEVICE FOR PARALLEL CHEMICAL STIMULATION TO LOCAL AREA OF SINGLE CELL SURFACES”, MNC 2022(マイクロプロセス・ナノテクノロジー国際会議), 令和4年11月10日
  2. 中村瑠太, 高尾英邦, 下川房男, 平野勝也, 寺尾京平, “マイクロ流路を利用した薬剤応答面積依存性の定量解析法の開発”, 化学とマイクロ・ナノシステム学会 第46回研究会(CHEMINAS 46), 令和4年11月16日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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