利用報告書 / User's Report | ARIM Japan公式ホームページ_マテリアル先端リサーチインフラ

【公開日：2023.08.01】【最終更新日：2023.05.14】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22NU0082

利用課題名 / Title

ミディアムエントロピー合金の相分離過程中のナノ組織解析

利用した実施機関 / Support Institute

名古屋大学

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用（ARIM事業参画者以外）/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）計測・分析/Advanced Characterization（副 / Sub）-

【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed（副 / Sub）-

キーワード / Keywords

鉄鋼, ミディアムエントロピー合金, 材料組織,電子顕微鏡/Electron microscopy,集束イオンビーム/Focused ion beam

利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)

足立吉隆

所属名 / Affiliation

名古屋大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

小川登志男,孫飛

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

利用形態 / Support Type

（主 / Main）共同研究/Joint Research（副 / Sub）-

利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NU-103：高分解能透過電子顕微鏡システム

報告書データ / Report

概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

従来の合金は、鉄合金やアルミニウム合金のように特定の元素を主成分としていた。一方、ハイ・ミディアムエントロピー合金では、複数の元素を混ぜるために主成分を持たないのが特徴である。ハイ・ミディアムエントロピー合金では、L1₂ 構造を有する相が析出することがあるが、この析出の発生条件や微細構造は分かっていない。そこで本研究では、ミディアムエントロピー合金を用いて、相分離過程中のナノ組織を解析し、その発生条件と微細組織変化を探ることを目的とした。

実験 / Experimental

供試材には、Fe-35Ni-10Al(at.%) 合金を用いた。この合金に1150℃で96hの均質化処理後に、1250℃で1hの溶体化処理を行った。その後、300、400および500℃にてそれぞれ10、30、90および120hの時効処理を行った。
それぞれの試料に対し、透過型電子顕微鏡「JEM-2100plus」を用いて、ナノ組織観察を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

TEMの回折パターンを図1に示す。300℃-10〜30hでは、fccの回折パターンしか見られなかったのに対し、90h以上の時効処理、また400℃以上の時効処理によってfccとL1₂ 構造の回折パターンを確認できた。このことから、fcc単相からfccとL1₂ 相に相分離する時効処理条件は、300℃-30hから90hの間にあることを確認できた。 400および500℃でそれぞれ90h時効処理した試料の回折パターン、高分解TEM像および逆フーリエ変換したIFFT像を図2に示す。
400℃と比べて、500℃のL1₂ 相が大きくなっていることがわかった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations

図1 各試料のTEM回折パターン

図2 400および500℃でそれぞれ90 h時効処理した試料の回折パターン、高分解TEM像および逆フーリエ変換したIFFT像

その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)

　実験を実施するにあたり、樋口公孝技術職員にご支援いただきました。厚く御礼申し上げます。

成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)

口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.

特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件