【公開日：2023.08.01】【最終更新日：2023.05.14】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22NU0079
利用課題名 / Title
磁性ナノ粒子複合材料のナノ構造評価
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋大学
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用（ARIM事業参画者以外）/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）計測・分析/Advanced Characterization（副 / Sub）-
【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed（副 / Sub）-
キーワード / Keywords
磁性ナノ粒子，複合材料，高分子,電子顕微鏡/Electron microscopy,集束イオンビーム/Focused ion beam
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)
岡 智絵美
所属名 / Affiliation
名古屋大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
谷平光一,永易大地,塩嶋巧,Cheng Bailin,松下昇太郎
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
本課題では，磁性ナノ粒子を含む複合材料や，磁性ナノ粒子の特性を利用した，複合材料作製プロセス開発における，ナノ構造評価に取り組んだ．合成した磁性ナノ粒子の形状評価だけでなく，磁性ナノ粒子の磁気発熱で駆動する無配線マイクロゲルバルブ中の磁性ナノ粒子の分布状態評価を試みた．そして，磁性ナノ粒子がゲル中で，比較的分散した状態で存在していることを明らかにした．
実験 / Experimental
利用装置 JEM-2100plus 実験方法 合成した磁性ナノ粒子の形状は，粒子分散液をTEMグリッドに滴下し乾燥させた試料をTEM観察し評価した．ゲルバルブ中の磁性ナノ粒子分布状態評価は，ゲルを乳鉢ですりつぶし微粒子状にすることで行った．使用装置は，日本電子のJEM-2100plusである．磁性ナノ粒子には，生体内応用可能であり，安価な，磁性酸化鉄ナノ粒子を選択している．磁性酸化鉄ナノ粒子は塩化鉄と水酸化ナトリウムを用いた共沈法で合成可能である．
結果と考察 / Results and Discussion
TEM観察の結果，合成した磁性ナノ粒子の粒子径は約10 nmであることが確認できた．この磁性ナノ粒子をプレゲル溶液に混合し，磁性ナノ粒子添加ゲルを作製すると，磁性ナノ粒子がゲル全体に比較的分散した状態で分布している材料が得られることが確認できた． 磁性ナノ粒子がゲル全体に分布しているという結果は，磁性ナノ粒子添加量に伴いゲル物性が連続的に変化する可能性を示唆している．実際，磁性ナノ粒子添加熱応答性ゲルを粒子添加量を変えて作製すると，ゲルの収縮率が粒子添加量に伴い変化する様子が確認出来ている．また，この収縮率変化は磁性ではなく，粒子径に依存することを，シリカナノ粒子添加熱応答性ゲルを同様に作製することで確認している．今後は，FT-IRなどを用い，磁性ナノ粒子とゲルとの化学的な結合の有無を確認する予定である． また，今回観察した試料は乾燥状態の試料であるため，無配線マイクロバルブとして機能する，ゲル湿潤時の観察はまだ行えていない．そこで，今後は，液中観察ツールK-kitを利用した，磁性ナノ粒子添加ゲル微粒子の液中TEM観察も予定している．
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)
本研究の一部は，大倉和親記念財団2021年度研究助成女性研究者部門の支援を受け実施された．
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 谷平光一, 三輪大貴, 櫻井淳平, 秦誠一, 岡智絵美, “磁性ナノ粒子の磁気発熱で駆動する無配線マイクロバルブ,” 応用物理学会第13回集積化MEMSワークショップ, 東京, 2022年8月3日
- 岡田尚樹, 櫻井淳平, 秦誠一, 岡智絵美, “磁性ナノ粒子添加熱応答性ゲルの収縮挙動解明,” 2022年電気化学秋季大会, 横浜, 2022年9月8-9日
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件