【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.22】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22KT1172
利用課題名 / Title
生体分子、細胞、組織操作のためのマイクロ・ナノデバイス開発
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
近位尿細管オンチップ,近位尿細管機能評価,マイクロ流路,リソグラフィ/Lithography,3D積層技術/ 3D lamination technology
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
上野 遼平
所属名 / Affiliation
京都大学 大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
髙田裕司,久保亜樹,森分真由美
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
河野恵子
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
腎臓において近位尿細管は糸球体でろ過された原尿が最初に流れる器官であり、糸球体と同様に様々な薬剤の腎毒性の影響を大きく受ける。近位尿細管が薬剤に対する感受性が高い原因は様々なトランスポーターを発現しており、薬剤を積極的に取り込むためと考えられる。現在では動物実験により腎毒性を評価しているが動物種による生理機能の違いやコストなどの問題がある。このようなことから正確かつ効率的に腎毒性を評価できるin-vitroシステムは創薬コストの大幅な削減につながる。本研究ではマイクロ流路内に形成した近位尿細管モデルにおける有機カチオントランスポーター2 (Organic cation transporter 2: OCT2)の機能評価を行った。OCT2は近位尿細管において薬剤性腎障害を惹起するトランスポーターの一つである。
実験 / Experimental
両面マスクアライナ露光装置を用いて、シリコン基板状にSU-8をパターニングし、polydimethylsiloxane (PDMS) マイクロ流路の鋳型とした。SU-8を鋳型として作製したPDMS流路を2個用意した。これらのPDMS流路に多孔質メンブレンを間に挟んで接合することで上下2層構造のマイクロ流体デバイスを制作した。
中間の多孔質メンブレン上にヒト近位尿細管上皮細胞 (RPTECs)を培養してコンフルエントにして近位尿細管上皮細胞層をマイクロ流体デバイス内に構築した。この細胞層のOCT2依存的な輸送機能を評価するためにEtBrの細胞内取り込み量を蛍光画像から測定した。
結果と考察 / Results and Discussion
RPTECではEtBrの取り込みによって蛍光が観察されたが、OCT2阻害剤を入れた場合は弱い蛍光が観察された。一方、OCT2を有していないヒト臍帯静脈内皮細胞 (HUVEC)ではほとんど蛍光が観察されなかった(Figs.1a,b,c)。以上の結果より、OCT2の機能評価に成功したといえる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 (a) Microscopic images of RPTEC and HUVEC monolayers after the introduction of EtBr from basal side, (b) Time course of fluorescent intensity, (c) Relative fluorescent intensity of EtBr 18 hours later after introduction. Scale bar = 100 mm, error bar = S.D., *p < 0.05.Fig. 1 (a) Microscopic images of RPTEC and HUVEC monolayers after the introduction of EtBr from basal side, (b) Time course of fluorescent intensity, (c) Relative fluorescent intensity of EtBr 18 hours later after introduction. Scale bar = 100 mm, error bar = S.D., *p < 0.05.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件