利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.15】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0428

利用課題名 / Title

希ガス含有非晶質合金膜の微細組織観察

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

ナノクラスター/Nanocluster,希ガス/Rare gas,スパッタリング/Sputtering,電子顕微鏡/Electron microscopy,集束イオンビーム/Focused ion beam


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

小畠 淳平

所属名 / Affiliation

(地独)大阪産業技術研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-152:CADデータ連動3次元機能融合デバイス評価用前処理システム
UT-004:環境対応型超高分解能走査透過型電子顕微鏡
UT-010:クライオ透過型/透過走査型電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

アンバランスドマグネトロンスパッタ(UBMS)法は、基板に負のバイアス電圧を印加することで成膜ガスのアルゴン(Ar)を照射しながら膜形成ができ、膜の成長形態と構造を制御できる成膜法である。一方、本手法で形成した膜には多量のArが含有することが分かっているが、膜中のArの存在状態について詳細に解明されてはこなかった。そこで、本利用では、多元系非晶質合金である金属ガラス膜をUBMS法により作製し、走査透過型電子顕微鏡による微細組織観察と元素分析により膜中に含有されたArの存在状態を解明することを試みた。

実験 / Experimental

Ti41.5Cu42.5Zr2.5Ni7.5Hf5Si1(at%)の組成をもつ焼結体ターゲットを用いて㈱神戸製鋼所製UBMS202によりSi基板上にTi-Cu基金属ガラス膜を形成した。EPMAによる組成分析の結果、膜中には約16 at%のArが含有していた。観察用薄片試料は収束イオンビーム加工(XVison200TB)により作製した。膜組織の観察と元素分析はJEM-ARM200F Cold FE(STEM Double SDD)およびJEM-2100Fにより実施した。

結果と考察 / Results and Discussion

HAADF-STEMによる観察およびEDXによる元素分析の結果、数nmの大きさを持つAr濃化領域が膜中に均一分散されていることが分かった。加えて、Ar濃化部および母相は両組織とも非晶質構造であることも分かった。UBMS法によりエネルギーを付与されて膜中に含有されたArは、単原子で母相組織に存在するのでななく、Ar原子ナノクラスターとして存在しているものと考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図 UBMS法によりArを含有した膜のHAADF-STEM像(黒色部がAr濃化領域)


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究は科研費(19K05104)の助成を受けたものです。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 小畠淳平,"金属ガラス膜中に異なる手法で導入したArの存在状態" 日本金属学会第172回講演大会(東京),令和5年3月7日
  2. 小畠淳平,"UBMスパッタ法で形成した金属ガラス膜の膜質に与える成膜ガス種の影響" 表面技術協会第147回講演大会(千葉),令和5年3月8日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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