利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.08】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KT1221

利用課題名 / Title

地盤改良した土粒子の物理化学特性評価(H22060)

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

形状・形態観察,分析,建設リサイクル,鉄鋼スラグ,走査プローブ顕微鏡/Scanning probe microscopy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

加藤 智大

所属名 / Affiliation

京都大学大学院 地球環境学堂 社会基盤親和技術論分野

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

吉川 友孝,Aye Cho Cho Zaw

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

佐藤 政司

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-302:分析走査電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

「持続可能な発展」に向けて社会経済システムの転換が求められる現在,資源の循環利用の推進,既存施設維持管理型の社会基盤整備への転換を図りながら,都市・地域の活性を持続させることが社会基盤整備の重要な課題である。特に,産業活動から発生する廃棄物由来の資源(建設副産物)を社会基盤整備に利用した場合の環境安全性評価,環境負荷の小さい基礎構造物の建設・維持管理技術の提案が求められている。そこで本研究では,建設副産物の有効利用を目指し,地盤改良を行うことを検討している。特に2022年6月から12月までの期間においては,地盤改良材のうち,鉄鋼スラグ系の建設副産物を軟弱粘土に添加した際の強度変形特性評価を中心に実施した。具体的には,鉄鋼スラグの添加が土の強度増加に及ぼす影響を評価するため,強度試験と表面観察を行った。

実験 / Experimental

港湾の造成工事などで生じる軟弱粘土地盤を,鉄鋼スラグによって改質する現場を想定した条件を設定し実験を行った。軟弱粘土の一つである笠岡粘土に対して,鉄鋼スラグのうち製鋼スラグを,配合率30wt.%で添加し,笠岡粘土の液性限界の1.2倍の値となるように加水して供試体を作製した。その後,供試体を人工海水で満たした水槽に最大180日間水浸させ,海水が鉄鋼スラグの改良効果発現に及ぼす影響を評価した。その際,供試体に針を貫入させるコーン試験(JIS A 1228)を実施して強度発現を評価した後に,図-1に示すように供試体上部からサンプリングを行い,KT-302を用いて,供試体の微細構造観察およびCa, Si, Mg, Feなどのマッピングから反応メカニズムの評価を試みた。

結果と考察 / Results and Discussion

図-2に示す通り,7日養生後の供試体では軟弱な粘土のみに比べて鉄鋼スラグによる強度発現が推定される部分が存在し,土壌間隙が沈殿物によって充填されたことで,強度が発現された様子が推察された。マグネシウム化合物による強度発現を予測して実験を行ったが,図-3に示すような元素マッピングの結果からは,顕著な差異は見られなかった。今後はより長期間水浸した供試体を用いて評価を行うことに加え,評価手法が適当であるかについても検討する予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図-1 a) 供試体からのサンプリング位置と検体の作製



図-1 b) 供試体からのサンプリング位置と検体の作製



図-2 微視構造観察結果 a):粘土,b)スラグ部分



図-2 微視構造観察結果 a):粘土,b)スラグ部分



図-3 元素マッピングの結果


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

なし(現在,論文投稿を準備中)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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