利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2024.06.25】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22IT0039

利用課題名 / Title

化合物半導体光導波路用埋め込み酸化膜形成

利用した実施機関 / Support Institute

東京工業大学 / Tokyo Tech.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

酸化, AlGaAs


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

八木 立志

所属名 / Affiliation

旭化成エレクトロニクス(株)

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

倉嶋晃士

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

IT-022:化合物半導体光素子用酸化炉
IT-037:クリーンルーム付帯設備一式


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

GaAsで形成した光導波路の伝搬効率を向上するため、AlGaAsの選択酸化により導波路下に埋め込み酸化膜を形成したい。酸化膜形成に必要なAlとGaの組成比、及び酸化温度に応じた酸化レートを取得するため、東京工業大学の化合物半導体光素子用酸化炉を用いて実験を行った。

実験 / Experimental

GaAs基板上に分子線エピタキシー法にてAlGaAs及びGaAsを製膜し、ドライエッチングにてAlGaAs層を露出したサンプルに対し、東京工業大学の化合物半導体光素子用酸化炉を用いてAlGaAs層を酸化した。AlのGaに対する組成比が70, 90, 94, 98%となる4種類のサンプルを用意し、酸化は370, 400, 420, 450, 500℃の5水準の温度にて実施した。酸化レートは、東京工業大学の赤外顕微鏡を用いてAlGaAs露出部からの横方向酸化距離を測定し、単位酸化時間あたりの横方向酸化距離にて計測した。

結果と考察 / Results and Discussion

Fig. 1に示すように、AlGaAs露出部から酸化が進行している様子が赤外顕微鏡にて観察された。ただし、Al組成比が70%のサンプルについては、酸化温度500℃、酸化時間90分の条件で酸化の進行が確認できなかった。酸化レートの測定結果をFig. 2およびFig. 3に示す。Al組成比が高いほど、また酸化温度が高いほど高い酸化レートが得られ、いずれも指数関数的な急激な酸化レート変化であった。この結果よりAl組成比70%、酸化温度500℃、酸化時間90分での酸化量を見積もると20nmほどと非常に少なく、顕微鏡で酸化が観察できなかったことと合致する。本実験により、酸化量を適切にコントロールするためには酸化温度やAl組成比を精密に制御する必要があることが把握できた。また、Al組成98%のサンプルについては、酸化前にAlGaAs露出部において膜剥がれが確認されており、今後解析を要する。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 赤外顕微鏡像
Fig. 2 酸化レートの酸化温度依存性
Fig. 3 酸化レートのAl組成依存性


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

装置利用にあたりまして、基本となる実験条件のご提案、装置使用方法の教育を賜りました西山伸彦教授(東京工業大学)、大磯義孝特任准教授(東京工業大学)、Xiaoguang Li様(東京工業大学)に厚く御礼申し上げます。  


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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