利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.24】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22CT0103

利用課題名 / Title

高純度透明ポリマーの作製と透明性評価

利用した実施機関 / Support Institute

公立千歳科学技術大学 / Chitose IST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

光学材料・素子, 植物由来素材群, 紫外・可視分光,生分解性材料


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

谷尾 宣久

所属名 / Affiliation

公立千歳科学技術大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

CT-031:屈折率測定装置(プリズムカプラ)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

透明ポリマーを光ファイバー材料として使用するには究極の透明性が求められる。散乱の面から高透明化を行うにはポリマー内部に生じる屈折率不均一構造の大きさと屈折率差を小さくさせる構造制御が必要となる。不均一構造の発生は作製条件や熱処理条件に依存することが報告されている。しかし、発生原因や実体は明らかとなっていない。本研究ではポリメタクリル酸メチル(PMMA)を様々な重合条件で作製し、光散乱法を用いて不均一構造解析と透明性の評価を行った。

実験 / Experimental

PMMAは高純度化したモノマーと、開始剤としてDi-tert-butyl peroxide(DBPO)を使用し様々な重合温度・時間で作製した。光散乱測定は全自動光散乱測定装置(大塚電子 DLS-7000)を使用した。円柱状のポリマーサンプルにレーザーを照射し、光散乱強度の角度依存性から不均一構造の大きさの目安である相関距離aと周囲との屈折率差Δnを解析することができる。透明性は光ファイバーの透明性指標であるdB/kmの単位で評価した。

結果と考察 / Results and Discussion

PMMAのガラス転移温度(Tg)以上の130 ℃で重合したPMMAには散乱強度に角度依存性が存在せず、不均一構造は存在しなかった。一方、Tg以下の70 ℃で重合したPMMAには角度依存性が生じ、数十ナノメートルの大きさで10-4オーダーの屈折率差を持つ不均一構造を確認され、重合時間の増加に伴い光散乱損失も増加した。重合時間の増加に伴い相関距離はほとんど変化しなかったが屈折率差が大きく増加した。また、1HNMRを用いてポリマー内の残存モノマー量を定-したところ、重合時間の増加に伴って残存モノマー量が減少した。重合時間の増加に伴い、屈折率やTgが増加傾向にあることから重合が進行しているといえる。これらのPMMAは10時間半減期温度が120 ℃程度の開始剤であるDBPOを使用している。同条件で10時間半減期温度が70 ℃程度の開始剤であるBenzoyl peroxide (BPO)を使用してPMMAを作製したところ、長時間重合しても相関距離や屈折率差、散乱損失は大きく変化しなかった。分解されていない開始剤と残存モノマーの両方が存在する場合、Tg以下の重合に伴い不均一構造が顕著となり散乱損失が増加していくことを確認した。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)



成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 平出貴大, 天満大稀, 大越研人, 谷尾宣久、"光通信用透明ポリマーの不均一構造解析と透明性の評価", 高分子学会第71回高分子討論会(札幌)、高分子学会予稿集, Vol.71, 2M08, 令和4年9月
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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