利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.08.20】【最終更新日:2024.06.05】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KT1047

利用課題名 / Title

オンチップ血管網技術を用いた血管発生機序の解明および血管奇形・異常の病態解明

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

PDMS,表面処理,UVオゾン処理,ピラニア洗浄,マイクロ流路デバイス,リソグラフィ/Lithography,3D積層技術/ 3D lamination technology


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

坂野 公彦

所属名 / Affiliation

奈良県立医科大学 医学部医学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

岸村眞治

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub),機器利用/Equipment Utilization


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-103:レーザー直接描画装置
KT-111:ウエハスピン洗浄装置
KT-110:レジスト現像装置
KT-105:両面マスクアライナー
KT-230:UVオゾンクリーナー・キュア装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

ヒトiPS細胞から分化誘導した血管内皮細胞を用いて、マイクロ流路デバイスを用いて血管網を形成させる。また、構築された血管網に対し、灌流刺激を与えることで生じる変化も観察する。"正常血管内皮細胞"と"疾患モデル血管内皮細胞"を用いた血管網同士を比較することで、正常血管発生機序の解明や、血管奇形・血管異常の病態解明を行うことを目標とする。

実験 / Experimental

技術代行により、CADファイル設計図に基づき、KT-103:レーザー直接描画装置を用いたフォトマスク作製を行い、数種類の形状のモールドを作製した、各モールドに対応するPDMSプレートを作製し、離型、穴あけ、接合の過程を経て、最終的にPDMSデバイスを作製した。作製されたデバイスに、ヒトiPS細胞由来血管内皮細胞を導入し、血管網作製を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

下記特記事項の検討や、形状の条件検討を経て、灌流可能な血管網を形成するデバイスを作製することができた。今後、本デバイスを用いて、疾患モデルiPS細胞由来血管内皮細胞による血管網を形成させ、同疾患において特異的に生じる血管形態の変化や、免疫染色や蛍光レポーター細胞を用いた画像評価等を行っていくことが可能であると考えられた。
当初作製されたデバイスでは、導入した血管内皮細胞がほとんど死滅してしまう結果となったため、作製工程で、細胞毒性を有する成分が残存している可能性が疑われた。最終的に、UVオゾン処理、ピラニア洗浄の2工程に絞りこみ、UVオゾン処理時間0分、1分、3分、ピラニア洗浄なし、ありの条件検討を行ったところ、UVオゾン処理、ピラニア処理のどちらも行わなかったデバイスで、最も生存率が良好で、太く多数の分岐を有する血管網が形成された(Figure 1)。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Figure1 UVオゾン処理時間、ピラニア洗浄に基づいた細胞生存率評価(細胞導入後5日目)


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る