【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.04.28】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22KT1362
利用課題名 / Title
EBSDによるカイラル反強磁性薄膜の結晶粒径の同定
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials
キーワード / Keywords
カイラル反強磁性体,異常ホール効果,結晶粒,電子顕微鏡/Electron microscopy,3D積層技術/ 3D lamination technology,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
森山 貴広
所属名 / Affiliation
京都大学 化学研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
佐藤政司
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
カイラル反強磁性体L12-Mn3Irはその空間反転対称性の破れた磁気構造により有限のベリー曲率をもち、強磁性体に匹敵する大きさの異常ホール効果を示すことが理論的および実験的に示されている。しかしながら、その磁化構造の集団的な共同である磁区や磁壁の動力学は不明である。反強磁性体の磁区構造はその結晶構造と強く結合していることが知られているため、結晶粒の評価から磁区構造の糸口をつかむことができると考えられる。本研究では、EBSDによるカイラル反強磁性薄膜の結晶粒径の同定を試みた。
実験 / Experimental
マグネトロンスパッタ法を用いて、MgO(001)基板上にL12-Mn3Ir 20nmを成膜した。X線回折法から薄膜は多結晶であり、L12規則性を有することが分かった。このMgO(001)/ L12-Mn3Ir 薄膜について分析走査電子顕微鏡(C02)に付属しているEBSD分析装置を利用して結晶粒のマッピングを行った。加速電圧を5、10、15、25kVと変化させて結晶方位マッピングを取得した(図1)。
結果と考察 / Results and Discussion
高電圧では多結晶的なパターンが観測されたが、定電圧では顕著なコントラストは観測されなかった。一般に、加速電圧が高いほど電子の侵入長が長くなるため、サンプルのより深くまで結晶方位の情報が得られる。経験的に、加速電圧25kVだと基板の結晶パターンが重畳していると思われる。一方、加速電圧を低くすると_ほとんどコントラストが無くなるため、Mn3Ir薄膜からの情報が満足に得られていないことがわかる。走査電子顕微鏡の操作・結像に関わる様々なパラメータを調整してEBSDパターン観測を行ったが、本質的に上記の加速電圧依存性に変化はなかった。ここまでの実験結果から、加速電子との相互作用長が20nm程度しかない薄膜におけるEBSDパターン観測は難しいとの結論に至った。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 様々な加速電圧におけるEBSDパターン
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件