利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.26】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KT1249

利用課題名 / Title

トリチウム増殖材の精密化学分析

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

核融合,液体ブランケット,化学分析


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

八木 重郎

所属名 / Affiliation

京都大学 エネルギー理工学研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

野本楓,伊藤諒

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

高橋英樹

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-112:ICP質量分析装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

液体金属リチウム鉛共晶合金(Li–Pb)中に不純物としてBiが含まれることが知られている.塩化物溶融塩を用いた液体鉛(Pb)電極へのBiの電気化学的輸送を試みた.Pb電極の成分を分析し,Bi移行の適応性を検討した.

実験 / Experimental

本実験では,Li–Pb共晶合金(200 g)中にBiを飽和溶解度以下の200 mg添加した.この試料に対し,電気化学測定装置を用いて,723 K,1.5 V (vs. Li + /Li–Pb),45時間の条件で長時間定電圧通電を実施した.そのサンプルを酢酸等で溶解したのち、硝酸水溶液にした。その後、希釈して濃度を調整し、ICP-MS分析用溶液として定量分析した。図1に実験体系の概略を図示する。図2にBi除去試験における通電量の経時変化を示す。

結果と考察 / Results and Discussion

電気化学測定装置による通電の結果,1.4 Cの電気量が流れた.仮にこの電気量全てがBi 3- → Bi + 3e - の反応に使われたとすると,1.0 mgのBiが輸送されたことになる. また,ICP-MSを利用した精密化学分析では,本実験で通電したサンプルと通電処理を行なっていないPb単体のサンプルを比較した.これにより,通電前後で0.023 mgのBi移行が確認できた. ここで,(移行したBi物質量×3)/(通電電気量)により電流効率を算出したところ、約2.3 %であった.残りの大部分の電流は,残存水分や気相部分から再混入してきた水の電解に使用されたと考えられる.以上から,飽和溶解度以下でLi–Pb中のBi不純物ガ除去出来ることがわかった.今後は様々な電圧を試すことで,Biの選択的除去を可能にし,電流効率を向上させることが必要となる.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 実験体系の概略



図2 Bi除去試験における通電量の経時変化


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Yuto Murata, Solubility of Bi in Li–Pb Eutectic Alloy Between 508 and 623 K, IEEE Transactions on Plasma Science, 50, 4496-4499(2022).
    DOI: 10.1109/TPS.2022.3183286
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. (1) 野本楓,村田勇斗,八木重郎,向井啓祐,小西哲之 「Electrochemical transport of Bi in Li–Pb eutectic alloy to liquid Pb electrode using chloride molten salt」、32 nd Symposium on Fusion Technology、2022.9.18-23
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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