利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KT1213

利用課題名 / Title

貴金属表面に形成される炭素ナノ構造の同定

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

炭素プラズマ,走査トンネル顕微鏡,蒸着・成膜/Evaporation and Deposition,ナノ粒子/ Nanoparticles,ナノ粒子/ Nanoparticles


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

黒川 修

所属名 / Affiliation

京都大学 大学院工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

大村英治

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術相談/Technical Consultation


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-233:真空蒸着装置(2)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 我々は,貴金属表面に炭素プラズマを照射すると特異な構造が形成されることを見出しており,研究を進めている.我々が見出した構造は他ではほとんど報告されておらず,その生成メカニズムは依然不明である.過去の論文からは,プラズマ中生成説と炭素析出生成説の二通りが考えられる.今回は両者の切り分けを行った.

実験 / Experimental

 第一原理計算を用いた分子動力学計算により,数10から100eV程度に炭素原子を加速してAuやAg表面に入射させると数原子層以上炭素原子が侵入することが明らかになっている.貴金属への炭素の固溶度は低く,このような炭素はいずれ表面に析出するものと期待される.また知られている拡散のバリアからは室温では炭素の析出には数分以上の時間がかかると予測される.プラズマは蒸着直後にだけ存在するため,もし十分に時間をかけて我々の見出した炭素構造が析出することが明らかになれば,「プラズマ生成説」を除外することができる.超高真空中でアークプラズマガンにより炭素プラズマを発生させ,ナノハブの装置を用いて作製したAg(111)表面へ入射させた.その際,試料を-50Vの電位に設定した.瞬間的な電荷の流入により入射のタイミングで電位がプラス方向に数V程度上昇する現象が見られた.

結果と考察 / Results and Discussion

 炭素蒸着後のSTM(走査トンネル顕微鏡)観察の結果,蒸着直後はこれまで観察されていた,炭素ナノ構造は非常に少なく,STM像上で暗くイメージされるサイトが多く生成されることが明らかになった.この試料を超高真空中で保持し,時間を空けて観察したところ,数日から1週間程度でこれまで観察されていたものと同様の構造の数が増加することが明らかになった.このことから,我々の見出している炭素ナノ構造の生成にはプラズマは関与しておらず,貴金属からの析出に寄って生成できることが明らかになった

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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