利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.26】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KT1182

利用課題名 / Title

電気化学反応を利用した表面微細構造形成

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

ダイヤモンド,陽極酸化,ナノポア,蒸着・成膜/Evaporation and Deposition,異種材料接着・接合技術/ Dissimilar material adhesion/bonding technology


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

深見 一弘

所属名 / Affiliation

京都大学 大学院工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

大村英治

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-233:真空蒸着装置(2)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

ホウ素ドープダイヤモンド(BDD)は広い電位窓や高い化学的・物理的安定性から、優れた半導体電極として知られ、電気化学センサーとしての利用が期待されている。湿式処理によるBDDのナノポーラス化に関する研究はその物理的・化学的安定性のため困難であると考えられてきた。本研究では、BDDへの高エネルギーイオン照射と陽極酸化により、ナノポーラスBDDが作製可能か検討した。

実験 / Experimental

 Si基板上へCVDにより製膜した多結晶のBDDを電極として用い、硫酸と酢酸の混合水溶液を用いて陽極酸化を行った。処理後の試料をTEM観察するにあたり、FIBで断面試料を作製した。FIB加工に際して、Crを10 nm、Auを100 nm真空蒸着装置により製膜し、表面構造の保護を行った。図1にBDDの断面TEM像を示す。 (a)は未処理、(b)はイオン照射と4時間陽極酸化、(c)はイオン照射と8時間陽極酸化を実施した試料である。

結果と考察 / Results and Discussion

高エネルギーイオン照射を行ったBDDを陽極酸化したところ、表面に10 nm程度の孔径をもつナノポーラスBDDの形成が確認できた。表面をXPSで分析したところ、sp3の炭素が検出され、ダイヤモンド構造を維持していることが示唆された。一方、高エネルギーイオン照射を行わずにBDDを陽極酸化したところ、表面の荒れは確認できたものの、XPS測定から表面が水酸基やカルボキシ基が検出されたことから、表面が酸化し、BDDとして機能しない表面であることがわかった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1. BDDの断面TEM像。 (a)は未処理、(b)はイオン照射と4時間陽極酸化、(c)はイオン照射と8時間陽極酸化を実施した試料を示す。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る