利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.08】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KT1062

利用課題名 / Title

フィールドエミッタアレイの膜物性評価

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

窒化ハフニウム, 電界放出電子源,電子顕微鏡/Electron microscopy,X線回折/X-ray diffraction


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

後藤 康仁

所属名 / Affiliation

京都大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

大住知暉

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-301:超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡
KT-310:X線回折装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

過酷環境下で動作するデバイスへの応用が期待されるフィールドエミッタアレイ(FEA)の陰極材料として窒化ハフニウム(HfN)が適していると考えられる1)。FEAの特性向上のため、成膜時の基板位置を変えることで、結晶配向性の異なるHfN薄膜の成膜を試みた。結晶配向性の評価をθ-2θ測定, ロッキングカーブ測定により行い、HfN薄膜について、異なる基板位置で成膜した場合の結晶子の向きの変化を調べた。また、HfN薄膜の断面をSEMにより観察し、結晶の形状を調べた。

実験 / Experimental

HfNターゲットを用いて、RFマグネトロンスパッタによりSiO2/Si基板上にHfNを堆積した。成膜条件はRF電力80 W、基板温度500℃、Ar圧力1.2 Pa、ターゲット基板間距離30 mmとした。基板の位置はターゲットのエロージョンリングにほぼ対向する位置より内側(位置a)、外側(位置b)に配置した。成膜したHfN膜の結晶配向性をX線回折装置 Smart-Lab 9Kにより評価した。θ-2θ測定、ロッキングカーブ測定を行い、結晶配向性を評価した。結晶の形状を調べるため、HfN薄膜の断面を超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡SU-8000により観察した。

結果と考察 / Results and Discussion

θ-2θ測定において、NaCl構造のHfNの(111)面、 (200)面からの回折線が主に観測された。位置aでは、(200)面からの回折強度が最大であり、位置bでは(111), (200)面からの回折強度はほぼ同等であった。θ-2θ測定の後、(111), (200)回折線のロッキングカーブ測定を行った。Fig. 1にHfN薄膜の(200)面の回折線のロッキングカーブを示す。位置aでは基板に対して垂直方向に結晶子が向いているが、位置bでは結晶子の向きが位置aほど特定の方向に向いていないことが分かった。位置a で成膜したHfN薄膜のSEMによる断面観察の結果をFig. 2に示す。位置aでは、基板に垂直な方向に柱状構造が確認できた。一方で、位置bでは、結晶の形状は明確に分からなかった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1. HfN薄膜の(200) 面の回折線のロッキングカーブ



Fig. 2. 位置aで成膜したHfN薄膜の断面


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

参考文献
1) 後藤, J. Vac. Soc. Jpn. 60, 55 (2017).
2) R. Fujii et al., Vacuum 80, 832 (2006).


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. T. Osumi and Y. Gotoh, "Crystal orientation of hafnium nitride thin films prepared at different positions by rf magnetron sputtering", 22nd International Vacuum Congress (Sapporo), September 15, 2022, Thu-H1-6.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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