【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.04.28】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22KT1059
利用課題名 / Title
リーフレタスの水耕栽培養液へのナノバブル処理とレタス成長促進の関係
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
ナノバブル, 水耕栽培, 成長パラメータ,リーフレタス
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
中嶋 洋
所属名 / Affiliation
京都大学 農学研究科地域環境科学専攻
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
インドラワン カヒョ アディラクソノ,宇井智哉
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
本研究では,植物工場でのリーフレタスの水耕栽培において,養液にナノバブル(以下UFBと略記)水を用いた際の成長促進効果を調査した.目的は,水中のUFBの存在の確認ならびに養液中のUFBのレタスの成長への影響を実験的に明らかにすることである.
実験 / Experimental
リーフレタスの一種であり栽培が容易なフリルアイス(Lactuca sativa L.cv. Frillice)を供試した.研究室所有のコンテナ型植物工場にて水耕栽培を行った.種子播種後17日目に,25株のレタス苗を発芽エリアから栽培パネルに移植し成長させた.播種後30日目に収穫を行った.なお収穫では,計10株のサンプルを収集した.栽培では,曝気処理を播種後17日からの養液に適用した.UFB非処理は,対照区として水道水を浄化したフィルター水のみで養液を作成した.ナノバブルはUFBジェネレータ(FZ1N-10I, IDEC株式会社製)により作成し,ジェネレータを15回通過させたUFB水を24時間静置後にフィルター水と混合して作成した溶媒を用いて養液を準備した.なお,フィルター水中のナノバブルの存在を確認するためゼータ電位・粒径測定システムにより予めUFB処理水に含まれるバブル径を計測した.実験では,地上部新鮮重量(SFW),地上部乾燥重量(SDW),根圏部新鮮重量(RFW),根圏部乾燥重量(RDW),根長(RL),葉数(LN),総葉面積(TLA),および葉質量面積(LMA)の植物成長パラメータを測定した.TLAはImageJ1.52aを使用して測定した.すべてのデータは一元配置分散分析(ANOVA)によって分析し,Tukey-Kramer法を使用して処理間の有意差(P < 0.05)を検定した.
結果と考察 / Results and Discussion
粒径測定システムにて計測された蒸留水中のナノバブル径分布をFig. 1に示す.これより水中に1080 nm以下のバブルが存在することが確認された.栽培実験結果より,レタスの成長がUFB処理養液により促進される可能性が明らかとなった.地上部新鮮重量SFWは,対照区と比較して44.0%(有意)大であった.また,レタスの根圏部新鮮重量RFWは55.5%(有意)に増加した.さらに,乾燥重量SDWは,UFB処理で63.9%(有意)増加した.また根圏部乾燥重量RDWは,同様に44.8%(有意)増加した.なお,根長RLは,UFB処理では10.0%(有意ではない)小さくなったが,RDWの結果より根の密度増加に対するUFBの影響が伺えた.総葉面積TLAは,対照区と比較して,UFB処理区で28.1%(有意ではない)大となった.さらに,葉数LNは21.0%(有意)増加した.レタスの厚さを表す葉質量面積LMAは,UFB処理区で21%(有意ではない)増加した結果となった.レタス水耕栽培のための養液へのナノバブル処理による物理化学的構造変化などの効果ならびにレタス成長への最適処理条件を明らかにするため,今後さらに詳細な研究を続ける必要がある.
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 蒸留水中のUFBバブル径分布
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件