利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.23】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22TT0032

利用課題名 / Title

スチール缶再加工の高品質化のための天板切断面観察

利用した実施機関 / Support Institute

豊田工業大学 / Toyota Tech.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

形状・形態観察, 光切断法, 断面計測, 鉄鋼材料, リユース缶, SDGs, 切削, 研磨,光学顕微鏡/Optical microscopy,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,高品質プロセス材料/ High quality process materials


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

金子 忠弘

所属名 / Affiliation

金子商店

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

佐々木実,韓剛

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TT-015:デジタルマイクロスコープ群
TT-014:電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)(電子ビーム描画機能付属)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

スチール缶を再加工する一連の工程では、缶の内部を洗浄するために、天板を切断する。この切断傷が、次回使う際の内容物やその包装袋を傷つけることが問題となる。プラスチック容器に代わり、環境に優しいリユース缶の利用を拡大するには、この問題解決が不可欠である。切断面をできるだけ滑らかで綺麗にすることが望ましい。今年度は、切断で一部手作業だった作業をモータ駆動にすることを試みたが、切断の精度が十分出なかった。モータ駆動の条件を、サーボ化も含めて検討するため、切断面を定量的に評価できないかと検討した。

実験 / Experimental

リサイクル工程では、天板部分のみを切断する。開発中の切断装置を使って、天板を切断したリサイクル缶から、切断部分を含む領域を、切り出してサンプルとした。切断条件の異なるサンプルを持ち込み計測した。この計測には、光学式三次元形状測定機を利用した。 断面形状を、これまでと同様の方法でも計測した。すなわち、断面形状が変わらないように支える樹脂で周囲を固めて、端面を研磨して出した。サンプルをより小さくカットして縦置きにして、フェノールが主成分のポリファスト樹脂にて埋めた(直径25mm, 高さ約15mm)。この面を研磨して観察した。この実験のための日程は合わなかったため、技術代行で対応頂いた。

結果と考察 / Results and Discussion

Fig. 1 (top)に切断サンプルを示す。このサンプルは、切断装置の刃を当てる力を強くして得たもので、スチール材が一部貫通している。白矢印で示す暗い領域は、V字形状の刃物が入った跡である。光量は少ないが、形状データの飛びは無く、斜面も含めて形状計測できている。斜面が適度な表面粗さがあったためである。光学式三次元形状測定機にはθステージが搭載されており、サンプルを一回転して計測し、表から裏面まで計測結果が接続できた。光は斜面にも確実に当たる角度があり計測は安定した。得られた全周の形状データを使い、ソフトウェア上で指定する任意の位置で表裏両方の断面形状を確認できた。Fig. 1 (bottom)は断面表示である。断面位置を変更しながら、貫通穴ができているか否かが確認でき、刃が缶表面から1.0mm程度入ると貫通穴ができてしまうという、モータ駆動条件に有用な測定結果を得た。 なお、光学式三次元形状測定機にて得られる断面形状は、これまで取り組んできた樹脂埋めして得られる形状とも整合することも確認した。樹脂埋めサンプルにおいても、複数位置で切断し、その断面形状を観ることができる。樹脂埋め工程では、圧力が加わり平衡状態になるまでに、貫通穴周辺の弱い部分は変形することが分かった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 (top) Cut region and its surrounding area of the recycled can. (bottom) Cross-section profile observed using 3D measuring machine.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

令和 4年度 試行的利用の補助を受けました。また、豊田工業大学に新導入された光学式三次元形状測定機を早速使わせて頂きました。感謝いたします。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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