利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.24】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22CT0122

利用課題名 / Title

環境低負荷な新規高分子材料の合成法の開発と構造解析

利用した実施機関 / Support Institute

公立千歳科学技術大学 / Chitose IST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

ゲル浸透クロマトグラフ,有機系機能性材料,クロマトグラフ/Chromatography,におい・ガスセンサ


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

馬渡 康輝

所属名 / Affiliation

室蘭工業大学しくみ解明系領域化学生物工学ユニット

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

CT-023:サイズ排除クロマトグラフィー分析システム


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

有機化合物のメカノケミカル(MC)合成は、反応溶媒を使用しない環境低負荷な合成法として注目を集めている。従来主流であった有機溶媒を用いる溶液合成反応を無溶媒反応に置き換える報告が急増している。MC合成で得られる生成物には粉砕によるせん断力が加わる。その結果、低分子化合物には影響しにくいが、分子鎖が複雑に絡み合う高分子においてはその分子鎖の切断が顕著に生じる。したがって、MC合成法を高分子の合成に適用するには、重合反応の進行を妨げることなく分子鎖切断反応を抑制する合成条件を明らかにすることが重要である。従来申請者らが検討を続けているらせん状置換ポリアセチレン(HSPA)は、熱や圧力により容易に分解する特徴を有する。本研究では、HSPAの合成反応を十分に進めると同時に分子鎖切断反応を抑制するMC反応の条件を検討した。

実験 / Experimental

合成した芳香族アセチレンモノマーのメカノケミカル重合反応は、ステンレス容器の粉砕機を用いてRh錯体-アミン系触媒を用いた。生成ポリマーの分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー装置(SEC)で測定し、分子構造は溶液NMRで推定した。使用装置:サイズ排除クロマトグラフィー分析システム:島津 CLASS-VP、UV-vis検出器(SPD-10Avp)、RI検出器(RID-10A) (公立千歳科技大)

結果と考察 / Results and Discussion

本MC反応において、混合時間、原料と触媒との比、反応補助剤の種類およびその添加量を系統的に変えて実施した。固体または液体に関わらず、2級および3級アミンをもちいると1級アミンと比較して高収率でポリマーが得られた。混合時間の増加に伴い、分子量およびcis含量がともに低下した。共存させる固体アミン量の増加は、数平均分子量およびcis含量低下の抑制に非常に有効であった。さらに、モノマーに長鎖アルキルを付与することも、分子量およびcis含量低下を抑制する効果が高いことがわかった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

<謝辞>本研究の実施にあたり、千歳科学技術大学の大越研人先生にSECにて分子量を測定して頂いた。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Ikushima, H.; Mawatari, Y. Mechanochemical Synthesis of Fragile Polymers: Synthesis of a Poly(phenylacetylene) Using a Ball-milling Approach, Chem. Lett. 20230327, accepted.
  2. 幾島晴輝、馬渡康輝、ボールミルをもちいたポリフェニルアセチレン誘導体の合成、第71回高分子討論会、ポスター発表
  3. 大村宙士、馬渡康輝、長鎖アルキル化ジフェノール酸を用いた芳香族ポリエステルの合成、第71回高分子討論会、ポスター発表
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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