利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.24】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22CT0101

利用課題名 / Title

細胞内送達ナノキャリアのためのナノ材料の合成および材料特性評価

利用した実施機関 / Support Institute

公立千歳科学技術大学 / Chitose IST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

細胞内送達,キャリア,ナノ材料,合成,熱重量分析,透過型電子顕微鏡


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

佐々木 隆浩

所属名 / Affiliation

北海道医療大学薬学部

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

CT-012:透過型電子顕微鏡(TEM)
CT-020:熱重量測定装置(TGA)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

細胞内への定量的な物質輸送のための細胞内送達ナノキャリアとして、ナノ材料の生体内環境中の安定性に着目して開発を行っている。主に磁性ナノ粒子(MNP)を母材とし、昨年度はMNP表面へシリカシェル構築を行っている。
今年度はより高い化学的安定性が期待される金ナノ粒子(AuNP)をターゲットとして、AuNP表面の一点にのみチオール基修飾(One-spot修飾)を行った。

実験 / Experimental

AuNPへのOne-spot修飾として、修飾補助材料(SiO2@PEG-SS-PEG-NH2)へのAuNPの固定化と還元を行った(Scheme 1)。 AuNPはTurkevich–Frens法にて合成したクエン酸修飾AuNP(AuNP@CA)を用い、一般的な脱水縮合反応条件により修飾補助材料のリンカー末端へ固定した。 固定化AuNPと結合したリンカーはPEGとジスルフィド結合部位で構成されており、AuNPを遊離させるために還元剤を用いてリンカーの切断を行った。 AuNP固定化後の試料及びその還元処理試料を透過型電子顕微鏡(HT7600/Hitachi)で観察した。

結果と考察 / Results and Discussion

AuNP固定化後の試料をTEMにて観察したところ、修飾補助材料表面にAuNPが固定されていることが確認された(Fig. 1a)。 また、還元処理後の試料をTEMにて観察したところ、修飾補助材料表面に固定されたAuNPはほとんど観察されなかった(Fig. 1b)。 一方、還元反応液の上澄みには遊離したAuNPが観察された(Fig. 1c)。 以上の結果から、リンカーの切断により一点にのみチオール基が修飾されたAuNP(AuNP@CA(SH))を遊離させることができたものと考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Scheme 1 AuNP@CAへのOne-spot修飾



Fig.1 AuNP固定化修飾補助材料の還元処理前(a)、還元処理後(b)及び還元反応液上澄み(c)


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

謝辞:本研究の実施にあたり、装置の適切な保守管理をしていただきました公立千歳科学技術大学の伊勢崎政美様、櫻井真理様、オラフ・カートハウス先生に感謝いたします。
また本研究は、JSPS科研費JP20K05284の助成を受け実施しました。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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