【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.24】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22CT0087
利用課題名 / Title
気孔形成に影響を与える化合物Bubblin の誘導体の合成
利用した実施機関 / Support Institute
公立千歳科学技術大学 / Chitose IST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
植物気孔形成因子,有機合成,核磁気共鳴装置,細胞・組織再生誘導材料
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
嶋田 知生
所属名 / Affiliation
京都大学大学院理学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
新規化合物Bubblinは、植物の気孔形成に影響を与えるピリジン-チアゾールの一種である。植物体にBubblinを処理すると、気孔幹細胞メリスメモイドに作用し、その非対称分裂をかく乱することで気孔のクラスター構造を誘導する。本利用課題では、Bubblinの作用機序を明らかとするため、ナノテクノロジー支援事業から引き続きARIM事業の共同研究により、Bubblin誘導体の合成とその解析を行った。
実験 / Experimental
今年度は、プルダウン用ビーズがBubblin誘導体と標的タンパク質の相互作用を阻害しないように、リンカー部分にジエチレングリコールを導入した誘導体を複数作製した。これらの誘導体をシロイヌナズナ野生型系統Col-0株に処理し、気孔形成パターンを観察した。さらに、Affigel-10ビーズにカップリングし、シロイヌナズナ幼植物体の粗抽出液から結合するタンパク質の単離精製を試みた。合成標品の同定にはNMR(Avance NEO 400, Bruker社, 公立千歳科学技術大学登録装置)を用いた。
結果と考察 / Results and Discussion
ジエチレングリコールをリンカー部分に導入したBubblin誘導体のうち、ブロモ基をもつR53とクロロ基をもつR54は気孔クラスターを誘導する活性が見られた。プルダウン用ビーズの作製に供する誘導体として、昨年度より効果的なものの合成に成功したといえる。シロイヌナズナ幼植物体から抽出した粗タンパク質溶液を、アミノ基をもつ誘導体とカップリングさせたAffigel-10ビーズに供し、結合画分を電気泳動後銀染色した。その結果、各誘導体で異なる結合タンパク質のバンドパターンが見出された。今後は、MS解析により各誘導体に特異的に結合するタンパク質を明らかにし、Bubblin標的因子の同定を目指す。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1誘導体ビーズのプルダウン解析
各Bubblin誘導体をカップリングしたビーズとシロイヌナズナ幼植物体の粗抽出液を混合し、結合画分を電気泳動に供したゲルの銀染色像。NCは誘導体カップリングを行わなかったコントロール。
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
・参考文献Y, Sakai et al., Development, 144(3):499-506 (2017)
・謝辞 本研究の遂行にあたりまして、公立千歳科学技術大学の今井敏郎客員教授、大越研人教授にBubblin誘導体を合成して頂きました。この場を借りて感謝の意を表します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件