【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.28】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22CT0078
利用課題名 / Title
アミロイド凝集体の観察と凝集阻害物質の探索
利用した実施機関 / Support Institute
公立千歳科学技術大学 / Chitose IST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
アミロイド凝集阻害物質の探索,電子顕微鏡/Electron microscopy,生体イメージング/ In vivo imaging,細胞・組織再生誘導材料/ Materials for inducing cell and tissue regeneration
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
徳樂 清孝
所属名 / Affiliation
室蘭工業大学しくみ解明系領域化学生物工学ユニット
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
倉賀野正弘,黒滝晋奈
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
河野敬一
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
アミロイドーシスは繊維状の異常タンパク質が凝集、蓄積することで発症する。アミロイドβとタウ、αシヌクレイン、血清アミロイドAはそれぞれ、アルツハイマー病、パーキンソン病、リウマチの原因となることが知られている。我々は過去に量子ドットナノプローブを用い、アミロイド凝集阻害物質を探索する微量ハイスループットスクリーニングシステムを開発した。本手法は、アミロイド凝集体の形成やその阻害を、蛍光顕微鏡を用いて可視化することが可能である。しかしながら、光学顕微鏡の分解能の限界により、凝集体中の線維を一本ずつ区別することは不可能である。そこで、本研究では、より分解能の高い透過型電子顕微鏡を用いて、様々なアミロイド形成タンパク質の凝集体の詳細な観察と凝集阻害物質の探索を行う。
実験 / Experimental
Aβ、タウ、リン酸化タウ、および微小管結合タンパク質(MAP)4を量子ドットナノプローブと共に、37 ℃でインキュベートした。試料溶液をグリッドにのせ、10分間インキュベート後、水滴をろ紙で吸い、PBSでwashした。パラフィルム上に1% リンタングステン酸の液滴を2つ用意し、試料側が水滴に接するように被せ、2つのリンタングステン酸水滴にそれぞれ数秒位ずつ接触させた。ろ紙で余剰の染色剤を吸収し、10分間自然乾燥させ、透過型電子顕微鏡(日立、H-7600)を用いて観察した。
結果と考察 / Results and Discussion
分解能の高い透過型電子顕微鏡を用いて、タンパク質の凝集体の詳細な観察を行うことにより、Aβやタウと同様に、MAP4がアミロイド線維を形成することが初めて確認された。また、アクチンフィラメントや微小管、また大腸菌がAβのアミロイド線維形成に影響することが明らかになった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
公立千歳科学技術大学ARIM支援室の伊勢崎政美様、他スタッフの櫻井真理様には、TEMの調整および使用法について適切なアドバイスをいただいた。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 黒滝晋奈、Ragheed H. Yousif、倉賀野正弘、徳樂清孝 “The interaction between amyloid β and cytoskeletal proteins, actin and tubulin,depends on their polymerization state” 第60回日本生物物理学会年会(函館)2022
- 片桐颯太、珠娜、倉賀野正弘、徳楽清孝“Escherichia coli inhibited amyloid β aggregation in a concentration-dependent manner” 第60回日本生物物理学会年会(函館)2022年
- 倉賀野正弘、山中真也、徳樂清孝“Amyloid β aggregation and accumulation process under physiological conditions” 第60回日本生物物理学会年会(函館)2022年
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件