利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.24】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22CT0019

利用課題名 / Title

自己組織化のためのアンカー部位を連結したサリチル酸メチル誘導体の開発

利用した実施機関 / Support Institute

公立千歳科学技術大学 / Chitose IST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

蛍光センサー,核磁気共鳴装置,核磁気共鳴/Nuclear magnetic resonance,バイオセンサ


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

坂井 賢一

所属名 / Affiliation

公立千歳科学技術大学理工学部応用化学生物学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

濱舘幸那

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

CT-005:核磁気共鳴装置(NMR)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

我々は,サリチル酸メチル(MS)2分子をσ鎖で連結したdyad型分子(MS-dyads)が集合体の形成に起因した特徴的な吸収・蛍光スペクトルを与えることを見出している。本研究では,MSの安定な集積体形成に必要なアンカー部位を特定するため,MS-dyadsの片側をベンゼン環で置換した誘導体や,片側のMS部位を除いて直鎖状炭化水素鎖 (n = 2~10,以降サンプル名をC2~C10と表記) を連結したMSを合成し,それらの集積特性の評価を行った。

実験 / Experimental

合成したサンプルの吸収・蛍光スペクトルの濃度依存性から,集積体由来の特徴的な吸収・蛍光バンドが確認されるかどうかを調べた。また1H-NMR測定結果から集積体の形成過程や安定性の評価を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

そもそもメトキシ体(C1)は青色蛍光を示す無色透明の液体であるが,C2とC3は青色蛍光を示す淡黄色粉末として,更には,C4〜C7は緑色蛍光を示す黄色液体,C8〜C10は緑色蛍光を示す黄色粉末として得られた。ジクロロメタン溶液の吸収・蛍光スペクトルには,希釈時,どの場合も340 nmに極大をもつ吸収スペクトルを与えたが,高濃度時に450 nm以上の波長領域で特徴的な吸収・蛍光バンドが確認されるのはC4より長い鎖をもつ場合であることがわかった。また1H-NMRの測定結果からも,C4以上の鎖で集積体の安定性がもたらされることが示唆された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Miku Takahashi, Supramolecular Complexation and Collective Optical Properties Induced by Linking Two Methyl Salicylates via a σ-Bridge, The Journal of Physical Chemistry B, 126, 3116-3124(2022).
    DOI: 10.1021/acs.jpcb.2c00842
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 自己組織化のためのアンカー部位を連結したサリチル酸メチル誘導体の開発, 濱舘幸那、山崎愛奈、坂井賢一、三部宏平、芥川智行(千歳科技大、東北大多元研) 日本化学会北海道支部2022年夏季研究発表会, 2022年7月
  2. Development of methyl salicylate derivatives with an anchor site for self-assembling, Y. Hamadate, M. Yamazaki, K. Sakai, K. Sambe and T. Akutagawa 22nd Chitose International Forum on Photonics Science and Technology, Sep 30, 2022, at CIST in Chitose
  3. アルコキシ鎖を連結したサリチル酸メチル誘導体の鎖長に依存した集積特性, 濱舘幸那、山田怜、坂井賢一、芥川智行(千歳科技大、東北大多元研) 日本化学会北海道支部2023年冬季研究発表会, 2023年1月
  4. 直鎖状置換基を導入したサリチル酸メチルの集積特性, 濱舘幸那、山田怜、坂井賢一、芥川智行(千歳科技大、東北大多元研) 日本化学会第103回春季年会 2023年3月
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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