利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.04.25】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UE5272

利用課題名 / Title

500MHz NMRとESI-TOF MSを利用した天然有機化合物合成中間体の構造解析

利用した実施機関 / Support Institute

電気通信大学 / UEC

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

天然物合成,核磁気共鳴/Nuclear magnetic resonance,質量分析/Mass spectrometry,抗菌・抗ウイルス材料


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

早川 一郎

所属名 / Affiliation

日本大学文理学部化学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

堤 大洋

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

北田 昇雄

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UE-003:溶液NMR装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 概要:天然物は多様な三次元構造を有するため,タンパク質と“多点”で相互作用できる.このことから,天然物をリード化合物とした医薬品開発が再注目されている.我々はバルクで入手できる天然物から必要な部分を切り出し,稀少天然物へ変換する,『天然物リノベーション』や『構造多様性指向型合成』による天然物アナログライブラリーの構築を検討し,次世代型天然物全合成の確立を目指している. 目的・実施内容:天然物合成の途上で得られる合成中間体の構造をNMRによる1H, 13C, および2D NMRの測定とESIMSによる分子量の測定により構造決定を実施する.

実験 / Experimental

 弊学でNMR測定が実施できない期間に,支援機関である電通大ECA-500(500MHz NMR装置)を利用させていただき,構造未決定のサンプル(2点)について,重クロロホルム中,1次元の1H, 13C NMRの測定を行った.また,二次元NMRであるHHCOSY, HMQC,HSQCを測定させて頂いたことにより平面構造を確定した.さらにNOESYスペクトルを測定することによって立体化学も決定した.

結果と考察 / Results and Discussion

 骨粗鬆症薬のリード化合物として期待されているSB-203207の合成において,イソシアネート存在下でオゾン分解を行い,水素化ホウ素ナトリウムで還元処理を行ったところ,予想に反しウレタンのα位がメトキシ化された化合物が得られた.またクロロキン耐性マラリアに有効なイソレツリンの合成において,二重反転を活用したピペリジン構築において,収率は中程度ながら目的の化合物を立体選択的に構築できた.これらの構造や立体化学は,いずれもARIM事業により共同利用させていただいた電通大の500MHz NMR装置(ECA-500)を用いて構造を決定した.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


標的生物活性天然物


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

 ARIM事業を活用して成果が出た場合は,投稿論文において「Acknowledgment」に記載する.


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Takayuki Ohyoshi, Structure–activity relationship studies on an antitumor marine macrolide using aplyronine a–swinholide A hybrid, Organic & Biomolecular Chemistry, 20, 2922-2938(2022).
    DOI: 10.1039/D2OB00118G
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 蓮見聖人・堤大洋・早川一郎,”SB-203207の合成研究”,日本化学会第103春季年会(2023)(東京理科大学野田キャンパス),令和5年3月22日
  2. 堤大洋・市川和季・早川一郎,”天然物リノベーションシンセシス:市販の天然物を原料とした希少天然物の合成研究”,日本化学会第103春季年会(2023)(東京理科大学野田キャンパス),令和5年3月22日
  3. 八束奈津実・堤大洋・早川一郎,”ダフニユンニンCの合成研究”,日本化学会第103春季年会(2023)(東京理科大学野田キャンパス),令和5年3月23日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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