【公開日:2024.09.04】【最終更新日:2024.09.04】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22OS1030
利用課題名 / Title
プラズマエッチングにおけるイオン-固体表面反応解析
利用した実施機関 / Support Institute
大阪大学 / Osaka Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions
キーワード / Keywords
蒸着・成膜/Evaporation and Deposition,スパッタリング/Sputtering,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,プラズマエッチング プラズマ成膜
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
伊藤 智子
所属名 / Affiliation
大阪大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
OS-126:接触式膜厚測定器
OS-114:RFスパッタ成膜装置(金属成膜用)
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
本申請は、反応性プラズマプロセスにおける表面反応の解明および反応性プラズマプロ セス開発の支援を目的とし、以下に示す2テーマついて研究を行った。 テーマ①SiO2/SiN多層膜プラズマエッチングにおける高エネルギーイオンの効果 近年の急速なデバイスの高性能化の高集積化の要求に伴い、3次元NANDの開発が進められ ている。3次元NANDは、SiO2およびSiNから成る多層膜で構成されており、このような多 層膜を貫通する高アスペクト比のトレンチを加工する技術が要求される。現在、多層膜 の高アスペクト比トレンチ加工は高速度エッチングを行うために、従来のエッチングプ ロセスよりも高エネルギーのプラズマが用いられており、テーパー形状、ツイスト形状 といった形状異常およびアスペクト比の低下といった問題が報告されている。本テーマ では、SiO2/SiN多層膜に対する高エネルギーAr+ およびCFx+イオン照射による、エッチ ング特性の解明を目的とした。 テーマ②プラズマ表面処理による高機能人工骨開発 本テーマは、固体表面に対してプラズマ成膜を行い特殊な機能を持つ材料の開発を目的 とした。
実験 / Experimental
テーマ①当 研究室で独自に開発し た質量分離イオンビーム装置を用いて、CF3+イオンを生成し、SiN, SiO2およびSiO2/SiN 多層膜試料にイオンビーム照射を行った。イオンビーム照射後の試料は、接触式膜厚測 定器を用いて、エッチング深さを算出した。 テーマ②RFスパッタ装置を用いて人工骨材料に酸化ストロンチウム膜の成膜を行い、成 膜後の膜厚は接触式膜厚測定器で測定を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
テーマ①SiO2/SiN多層膜に対するAr+イオン照射においては、実験から得られるエッチン グレートとSiO2とSiN およびSiO2/SiN 多層膜における両層の膜厚比から求められるエッチングレートは概ね一致した。XPS 分析からAr+イオンをSiO2/SiN多層膜に照射した場合、SiO2とSiN の界面にミキシング層 の形成を確認している。しかしながら、Ar+イオンのエッチングレートは変化しなかった ため、形成されたミキシング層が物理的なエッチングに影響を与えないことを明らかと なった。また、CF3+イオンを照射エネルギー2000 eV でSiO2/SiN 多層膜に照射し、エッ チング深さおよびエッチングレートを測定した結果、実験で得られたエッチングレート はいずれの照射エネルギー領域においても、SiO2とSiN およびSiO2/SiN 多層膜における 両層の膜厚比から求められるエッチングレートより大きくなった。これは、ミキシング 層の形成が化学的なエッチングを促進した可能性を示唆している。 テーマ②スパッタ成膜後の試料を用いて細胞培養実験を行った結果、未成膜の試料と比 較して、酸化ストロンチウムを成膜した試料では、石灰化に有意な差が見られたことか ら、骨形成に優れた特質を持つ膜を人工骨表面に成膜できた。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
装置使用に際し、丁寧にご説明・ご対応頂きました大阪大学分子・物質合成PFの支援員 の方に感謝致します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- “Polyether-ether ketone (PEEK) functionalization by SrTiO3 for lumbar interbody fusion cage,” Anjar Anggraini Harumningtyas, Masato Ikuta, Tomoko Ito, Takashi Kaito, Satoshi Hamaguchi, in the Book of Abstracts of 9th International Conference on Plasma Medicine , (June 27th to July 1st, 2022, Utrecht, Netherland) O3 D4A3, p. 100. “Etching reactions of high energy ions with SiO2/SiN nano-scale multilayers”, Shoichi Taira, Charisse Cagomoc, Tomoko Ito, Kazuhiro Karahashi, Eric A. Hudson and Satoshi Hamaguchi in the Proceedings of the 43nd International Symposium of Dry Process (DPS2022), (24-25 November, Osaka International Convcention Center, Osaka, Japan, & hybrid) P-5.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件