【公開日：2023.08.01】【最終更新日：2023.07.28】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22OS1008

利用課題名 / Title

高結晶性ナノカーボン材料の創成とデバイス応用

利用した実施機関 / Support Institute

大阪大学 / Osaka Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用（ARIM事業参画者以外）/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）計測・分析/Advanced Characterization（副 / Sub）加工・デバイスプロセス/Nanofabrication

【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials（副 / Sub）マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies

キーワード / Keywords

カーボンナノチューブ、グラフェン,電子顕微鏡/Electron microscopy,X線回折/X-ray diffraction,リソグラフィ/Lithography,CVD

利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)

小林　 慶裕

所属名 / Affiliation

大阪大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

井ノ上泰輝,王 梦玥,許 梓釗

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

利用形態 / Support Type

（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）-

利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

OS-102：SEM付集束イオンビーム装置
OS-120：薄膜X線回折装置
OS-127：レーザーラマン顕微鏡
OS-107：マスクアライナー
OS-114：RFスパッタ成膜装置（金属成膜用）

報告書データ / Report

概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

本研究はナノカーボン材料の構造制御の高度化を目的とした。具体的には、固体成長核を用いた単層カーボンナノチューブ（CNT）の高結晶性合成のための高温合成、単層CNTの結晶性向上のための反応性雰囲気下での加熱処理、グラフェン集合体の構築における層間相互作用の低減を実施した。

実験 / Experimental

単層CNTの成長のための固体成長核として、ナノダイヤモンド粒子を基板上に滴下し、化学気相成長装置内での加熱前処理の後に、炭素源としてアセチレン等を供給して単層CNTの合成を行った。合成温度、添加ガス等の条件を変更して合成した単層CNTの構造を、ラマン分光法や走査型電子顕微鏡（SEM）により分析した。グラフェン集合体の構築においては、原料となる酸化グラフェン分散液の凍結乾燥時に、ナノスペーサー材料となるセルロースナノファイバーやナノダイヤモンド等を添加し、エタノール雰囲気中での超高温熱処理により構造修復を行った。得られた試料について、ラマン分光法やX線回折法により分析を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

単層CNTの高温合成においては、核生成と成長の2段階において炭素供給量を変更する2段階成長を行うことで、その結晶性の向上と収量の増大を実現した。さらに、成長促進剤としての水蒸気の導入により、収量の更なる増加を行った。図は、得られた高結晶性単層CNTのSEM像である。また、グラフェン集合体の構築においては、ナノスペーサー材料を添加することにより、その積層構造に変化が生じ、ラマン分光分析により高い乱層率の実現を確認した。X線回折により、積層したグラフェンの層数に変化があることが示された。これは、層間に挿入されたナノスペーサーにより、高温処理時の反応性ガスがグラフェン集合体の内部まで供給されることに起因すると考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations

図1

その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)

成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)

1. Mengyue Wang, Growth of Single-Walled Carbon Nanotubes from Solid Carbon Nanoparticle Seeds via Cap Formation Engineering with a Two-Step Growth Process and Water Vapor Supply, ACS Omega, 7, 3639-3648(2022).
   DOI: 10.1021/acsomega.1c06268
   
2. Mengyue Wang, Combination effect of growth enhancers and carbon sources on synthesis of single-walled carbon nanotubes from solid carbon growth seeds, Diamond and Related Materials, 130, 109516(2022).
   DOI: 10.1016/j.diamond.2022.109516
   
3. Zizhao Xu, Stacking order reduction in multilayer graphene by inserting nanospacers, Journal of Applied Physics, 132, (2022).
   DOI: 10.1063/5.0103826
   

口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.

1. Yuanjia Liu, Taiki Inoue, Michiharu Arifuku, Noriko Kiyoyanagi, Masamitsu Satake, Yoshihiro Kobayashi “Microscopic analysis of aligned carbon nanotubes: evidence for the first observation of kite-growth from non-metallic seeds” 2022年第83回応用物理学会秋季学術講演会（仙台), 令和4年9月22日
2. 前川 愛佳，王 梦玥，井ノ上 泰輝，小林 慶裕, “不活性雰囲気における単層カーボンナノチューブの高温安定性” 2023年第70回応用物理学会春季学術講演会（東京）, 令和5年3月16日
3. 井ノ上 泰輝，清水 一理，小林 慶裕, “同心ヘテロ構造のための外層カーボンナノチューブの高結晶性合成” 2023年第70回応用物理学会春季学術講演会（東京）, 令和5年3月16日

特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件