利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.07.28】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22OS0042

利用課題名 / Title

細胞内物質輸送機構の構造基盤解明

利用した実施機関 / Support Institute

大阪大学 / Osaka Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/Electron microscopy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

昆 隆英

所属名 / Affiliation

大阪大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

今井 洋,雷 宜慈

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

OS-004:300kVクライオ電子顕微鏡
OS-006:高分子・生物系電子顕微鏡用試料作製装置群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

分子量1,000 kDaを超える巨大モータータンパク質複合体『ダイニン』の高次複合体の立体構造を明らかにすることを目的としている。タンパク質のモーターである「ダイニン」は,ヒトの脳細胞を含めて、すべての細胞に存在していて、生命活動に必須のタンパク質である。このタンパク質は、ATPの化学的なエネルギーを力学的な仕事に変換することで細胞骨格である微小管上を移動する。その移動時に細胞内物質(ミトコンドリアやmRNAなど)と結合を形成することで、複合体として細胞内物質の輸送が実現される。私達は、発現精製したダイニンを観察すること、および、細胞内のコンポーネントを精製して、それを(例えば,軸糸構造を)直接観察する2つの手法からダイニンの構造を解明することを目指している。

実験 / Experimental

本研究では、細胞質ダイニンの微小管上での輸送運動メカニズム解明を目指し、クライオ電子顕微鏡法による構造解析を試みた。本研究ではまず、細胞質ダイニンの中核領域(モータードメイン)を細胞性粘菌Dictyostelium discoideumを宿主として大量発現し、2段階のアフィニティ精製により高純度に精製した。得られたダイニン標品が微小管上を歩行運動する能力を保持していることをネガティブ染色電子顕微鏡法による二次元単粒子解析およびin vitro motility assayにより評価した。次に、本標品を用いてダイニン分子単体のクライオ電子顕微鏡法による三次元単粒子解析を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

その結果、細胞質ダイニンのモータードメインを空間分解能3-4 Å程度で構造を明らかにすることができた。現在その結果を論文発表するために、論文執筆中である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 重兼拓実、今井洋、昆隆英 "ダイニンメカニズム解明の新展開" 理研シンポジウム: 第11回分子モーター討論会(大阪) 2022年11月14日
  2. 雷宜慈, 今井洋, 山本遼介, 重兼拓実, 下理恵子, 上村慎治, 八木俊樹, 梶村直子, 光岡薫, 昆隆英 "電子顕微鏡単粒子解析法による繊毛ダイニン新規構造の解明" 生体運動合同班会議(東京) 2023年1月7日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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