【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.07.28】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22OS0031
利用課題名 / Title
金属ナノ粒子を内包した中空カーボン触媒のTEM観察
利用した実施機関 / Support Institute
大阪大学 / Osaka Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion
キーワード / Keywords
触媒材料,電子顕微鏡/Electron microscopy,走査プローブ顕微鏡/Scanning probe microscopy,電子回折/Electron diffraction
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
桑原 泰隆
所属名 / Affiliation
大阪大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
山下 弘巳
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
OS-009:200kV回折コントラスト電子顕微鏡
OS-003:200kV原子分解能走査透過分析電子顕微鏡
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
二酸化炭素(CO2)の還元反応によって得られる一酸化炭素(CO)は化学原料として工業的に重要である。電気化学的CO2還元反応(CO2RR)では比較的少ない投入エネルギーでCO2を還元できるが、水素発生の併発に伴うファラデー効率の低さや、CO選択性の低さが依然として課題である。本研究では、導電性に優れた中空炭素に触媒活性点となるAgナノ粒子とCO2吸着能を有するアミノポリマーを内包した触媒を開発し、電気化学的CO2還元反応(CO2RR)に応用した。電気化学反応を通じてアミノポリマーや中空炭素が果たす役割を調査した。
実験 / Experimental
中空炭素は、球状シリカ粒子を鋳型、レソルシノールとホルムアルデヒドを炭素源とし、水熱合成後、700℃で炭化した後、NaOH水溶液を用いて球状シリカを除去することで合成した。中空炭素内部に四塩化炭素とエチレンジアミンを前駆体としてアミノポリマーを修飾した後、Ag源を含む水溶液に分散させ、NaBH4を用いて化学還元することにより、中空炭素にAgナノ粒子を内包させた(Ag-P@HCS)。
結果と考察 / Results and Discussion
STEM観察から、直径約300 nmの中空炭素の内部に約10.8 nmのAgナノ粒子が、中空内部及びシェル部にアミノポリマーが複合化されていることがわかった。Ag-P@HCSをカーボンクロスに固定化したものをカソード極とし、H型セルを用いたCO2RRを実施したところ、アミノポリマー修飾なしの場合CO生成に対するファラデー効率(FECO)は15.3%(-0.8 V vs. RHE)であったのに対し、Ag-P@HCSでは70.1%に向上し、CO生成効率が大幅に改善された。さらに、導入するアミノポリマーの量を調整することで、生成するCO/H2比を調整できることを見出した。これらは、アミノポリマーのアニオン吸着能により、CO2吸着の改善とCO2·-中間体の安定化が起こったためと考えられる。さらに、本触媒は中空炭素の閉じ込め効果により優れた安定性を示した。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- K. Li, Y. Kuwahara, H. Yamashita, manuscript submitted
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件