【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.07.28】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22OS0026
利用課題名 / Title
革新的CO2水素化触媒の開発
利用した実施機関 / Support Institute
大阪大学 / Osaka Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials
キーワード / Keywords
STEM, ZrO2, CO2,電子顕微鏡/Electron microscopy
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
多田 昌平
所属名 / Affiliation
北海道大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
西嶋雅彦
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
我々はカーボンニュートラル社会実現に向けて、革新的なCO2水素化触媒の開発を行っている。特に、ZrO2を担体にした固体触媒では、CO2活性化がスムーズに進行するため、様々なCO2水素化反応に応用が可能である。生成物選択性を決定付ける要因の一つに、担持金属種の選定があげられる。Ru系触媒を用いるとCH4が主生成物として取得可能となる。しかしながら、旧来のTEMで測定を行うと、担持金属種とZrO2のコントラスト差があまり出ず、担持金属種の形状を理解することができない。本課題では活性金属種の分散状態を超高分解能透過型電子顕微鏡(JEM-ARM200F)により観察することを目的とする。
実験 / Experimental
湿式含浸法、選択析出法(焼成あり)、選択析出法(焼成なし)の3種類の方法でRu担持金属酸化物触媒を調製した。反応試験には、固定床流通式反応器を使用した。前処理として、Ar:H2=90:10の混合ガスを300℃で1時間触媒層に導入し、水素還元を行った。反応ガス組成はCO2:H2:N2=1:4:5、ガス流量は50 mLSTP/min、反応温度は200℃~300℃の範囲で、25℃刻みに降温試験を実施した。特性評価は、X線回折法(XRD)、蛍光X線分析法(XRF)、N2吸着、CO2昇温脱離法(CO2-TPD)、走査電子顕微鏡(SEM)、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
Ru/ZrO2触媒に着目し、調製方法と担体種の検討を行った。3種類の調製方法のうち、選択析出法(焼成なし)で調製した触媒が最も高いCO2転化率を示した。これを踏まえ、選択析出法(焼成なし)で調製したRu/単斜晶ZrO2(m-ZrO2)およびRu/非晶質ZrO2(am-ZrO2)を用いて、担体種の検討を行った。反応試験の結果、Ru/m-ZrO2のほうが、Ru/am-ZrO2よりも高活性を示した。さらにRu/m-ZrO2は、225℃の低温でも70時間もの間、高活性を保ち続けていた。STEMより、長期試験前後でRuの分散度や表面の様子に変化がないためであると示唆される。開発した触媒のSTEM像およびRuマッピングを確認したところ、すべての触媒において数ナノメートル程度のRu粒子がZrO2上に分散されている様子が確認された。(図)そのため、触媒性能を決定付けた要因が、Ru粒子の形成とは関係なく、おそらくZrO2側の化学的物性の違いに起因していると示唆される。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図 含浸法および選択析出法で調製したRu/m-ZrO2触媒のSTEM像.数nm程度のRuナノ粒子が観測された.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 地主園 朋奈、山内 紀子、小林 芳男、多田 昌平、CO2メタネーション低温化を目的とした新規触媒の開発、第25回化学工学会学生発表会、E11、2023/3/4
- 向山 莉緒、山内 紀子、小林 芳男、多田 昌平、CO2水素化によるメタノール合成の低温化を志向した新規触媒開発、第25回化学工学会学生発表会、E20、2023/3/4
- 小倉 有里加、山内 紀子、小林 芳男、多田 昌平、バイオガスから有用物質を合成する新規触媒の検討、第25回化学工学会学生発表会、J31、2023/3/4
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件