【公開日:2024.08.23】【最終更新日:2024.06.29】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22OS0021
利用課題名 / Title
火炎噴霧熱分解法により調製した複合酸化物の観察
利用した実施機関 / Support Institute
大阪大学 / Osaka Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials
キーワード / Keywords
電子顕微鏡/Electron microscopy
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
藤原 翔
所属名 / Affiliation
山形大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
西嶋 雅彦
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
火炎噴霧熱分解法や液相法により調製した各種ZrO2担持触媒の元素分布状態をSTEMおよびDEXマッピングにより観察した。
実験 / Experimental
CuO/t-ZrO2 を含浸法で調製した。まず非晶質ZrO2(NND, 第一稀元素化学工業株式会社)にCu(NO3)2・3H2O(富士フイルム和光、日本)の水溶液を含浸させた。得られた粉末を110℃で乾燥させ、その後、500℃で3時間焼成してCuO/t-ZrO2を得た。VOX/t-ZrO2を火炎噴霧熱分解法により調製した。ジルコニウムイソプロポキシド溶液(1-プロパノール中70wt%、TCI)を2-エチルヘキサン酸(2> 99%, 2-EHA; Sigma-Aldrich)と15分間混合した後、2-EHAと同量のメタノール(99.8%, 富士フィルム和光純薬)を加えた。その後、バナジウムイソプロポキシド(98%、Sigma-Aldrich社製)を溶液に加えて混合した。前駆体溶液中の金属(V+Zr)の濃度は、0.2 Mとした。調製した前駆体溶液を3 mL/minでFSP反応器に供給し、O2分散ガス(5 L/min)で霧化した。噴霧された前駆体溶液は、CH4とO2(それぞれ流量は1.5 L/minと3.2 L/min)からなるパイロットフレームで点火した。前駆体の燃焼により生成した粒子を、真空ポンプ(Seco SV1040、Busch)とガラス繊維フィルター(Albet LabScience、GF6)により回収した。
結果と考察 / Results and Discussion
図1(a)に調製したCuO/t-ZrO2触媒のSTEM像とCuおよびZrの分布を示す。STEM像より粒子の一次粒子径が10 nm程度であることが分かる。またCuとZrの分布が一致しており、粒子状のCuが確認されないことからCu種はZrO2に固溶しているかZrO2表面に原子レベルで分散していることが判明した。Cuの分散状態がChan-Lamクロスカップリング反応後も変化しないことは、反応後に測定したSTEM像とCuおよびZr分布(図1(b))により明らかとなった。図2にVOx量を変化させて調製したVOx/t-ZrO2触媒のSTEM像とVおよびZrの分布を示す。VOxがV2O5として7.8(a-c)または28wt%(d-f)担持した条件ではVとZrの分布が一致しており、粒子状のVOxが確認されないことからV種はZrO2に固溶しているかZrO2表面に原子レベルで分散していると予想される。一方でV2O5として50wt%担持した(g-i)条件では、VとZrの分布が一致しておらず粒子状のVOxが存在することが明らかとなった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 (a)反応前と(b)反応後のCuO/t-ZrO2触媒のSTEM像とCuおよびZrの分布
図2 火炎噴霧熱分解法により調製したVOx/ZrO2のSTEM画像およびVとZrの分布
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
本研究は日本学術振興会科研費(21K04988),JFE21世紀研究財団の助成を受けた。ここに記して謝意を表す。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Masaru Kondo, Catalysis of surface dispersed Cu2+ species on t-ZrO2: square-planar Cu catalyzed cross-coupling of arylboronic acid and imidazole, Catalysis Science & Technology, 13, 2247-2254(2023).
DOI: 10.1039/D3CY00024A
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件