【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.07.28】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22OS0004
利用課題名 / Title
チタン酸バリウム焼結体における強誘電分域構造の観察
利用した実施機関 / Support Institute
大阪大学 / Osaka Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed
キーワード / Keywords
Ferroelectric materials,電子顕微鏡/Electron microscopy
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
土井 敏宏
所属名 / Affiliation
㈱サムスン日本研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
OS-009:200kV回折コントラスト電子顕微鏡
OS-003:200kV原子分解能走査透過分析電子顕微鏡
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
チタン酸バリウムを代表とする応用上重要な強誘電体材料に発現する強誘電性は、階層性を有しており、具体的にはion分極等の原子levelの構造変化だけでなく、形成されるMacro scaleな強誘電分域組織(Domain)の影響を強く受ける。このため作製する強誘電体材料の分域組織制御は、作製する電子Deviceの電気特性と深く関係するため、応用上特に重要となる。しかしながら、X線回折(XRD)や走査型電子顕微鏡(SEM)等の他の分析機器では、強誘電分域構造を詳細に観察することが困難である。そこで本研究では、透過型電子顕微鏡(TEM)が持つ特徴の一つである電子線の動力学的効果を利用して、チタン酸バリウム焼結体の強誘電分域構造および微細組織観察を行った。
実験 / Experimental
本研究で観察したチタン酸バリウム焼結体は、主に固相法により原料粉末の粉砕および混合を実施した後、Pellet状に成型し所定の条件および温度にて焼結を行うことにより作製したものである。TEM観察用の試料は、FIBにより薄片化したものを観察に供した。使用した透過型電子顕微鏡は主にH-800(Hitachi)であり、加速電圧200kVの条件のもとで明視野像、暗視野像、および電子回折図形を撮影することにより強誘電体分域構造の評価を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
図1には、チタン酸バリウム焼結体から撮影された明視野像、および対応する電子回折図形が示されている。明視野像には、縞状のcontrastを持つ大きさ200~500nm程度のチタン酸バリウム粒子が多数観察される。一方で対応する電子回折図形には、Perovskite構造を反映した同心円状の回折班点(Debye-Scherrer rings)が観察されることから、明視野像に観察されるこれら粒子は、チタン酸バリウム粒子からなる多結晶体であると解釈できる。また粒子の内部に観察される縞状contrastについては、解析の結果、Fishbone Patternと呼ばれる典型的な強誘電体分域構造の一部を反映したものであることが分かった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1, チタン酸バリウム焼結体から撮影された明視野像および電子回折図形
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件