利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.04】【最終更新日:2023.08.02】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22OS0001

利用課題名 / Title

化合物半導体デバイスの分析

利用した実施機関 / Support Institute

大阪大学 / Osaka Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

化合物半導体デバイスの分析,電子顕微鏡/Electron microscopy,集束イオンビーム/Focused ion beam,電子回折/Electron diffraction


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

日坂 隆行

所属名 / Affiliation

三菱電機㈱

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

門岩 薫,佐々木 肇,井上 晃一,大月 崇史

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術相談/Technical Consultation


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

OS-001:3MV超高圧電子顕微鏡
OS-003:200kV原子分解能走査透過分析電子顕微鏡
OS-005:複合ビーム3次元加工・観察装置
OS-008:電界放出型200kV高分解能電子顕微鏡
OS-009:200kV回折コントラスト電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

化合物半導体デバイスは、組成の異なる混晶を積層した構造が用いられており、混晶層の微小な層厚変化や界面急峻性がデバイス特性に大きく影響する。このためデバイス解析においてTEMによる混晶層の観察が重要となっている。しかし従来の平行ビームによるTEM分析では異なる混晶層の間で十分なコントラストが得られない問題があった。 今回、電子線の収束角を最適化することにより、異なる混晶(InP/InGaAsP)間のコントラストの向上をはかった。

実験 / Experimental

InP基板上にInPとInGaAsP薄膜層を結晶成長させ、FIB加工によって(110)面を断面とする厚さ200nmの試料を作製して観察に用いた。(図.1)電子顕微鏡の加速電圧は200㎸、電流密度は17pA/cm2 に保ち、(110)面に垂直に電子線を入射させ、晶帯軸の回折条件でTEM観察を行った。 今回はTEM像観察を行う際に、図.2に示す様に、電子顕微鏡に内蔵された絞りの条件を5段階に変えて、CCDにてイメージを取得した。TEM像のコントラストは、InP層の領域とInGaAsP層の領域との強度の差をInP層の強度で規格化して求めた。200nmの間隔で(a) (b) (c)の3点で観察した結果を平均化した。

結果と考察 / Results and Discussion

今回の観察結果より、同一の試料で、電子顕微鏡の絞り条件を変える事で得られたTEM像のInPとInGaAsP層のコントラストが変化し、絞り条件1→5と電子線を絞り収束角を大きくする方が、高いコントラストを示すことを確認した。(図.3, 4) これは、絞りによって収束角が大きくなったことで、電子線による回折コントラストが弱まり、原子量(Z)の違いによるコントラストが強調されるためと考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図.1 試料構造



図.2 試料と絞り条件との関係



図.3 各絞り条件にて観察されたTEM像



図.4 絞り条件と得られたTEM像のコントラストの関係


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究にあたり、ご指導・ご支援頂きました大阪大学超高圧電子顕微鏡センター市川特任教授に感謝致します。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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