【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.23】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22TU0023
利用課題名 / Title
多結晶金属材料の微細構造解析
利用した実施機関 / Support Institute
東北大学 / Tohoku Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
銅基合金, 構造用銅合金, 核融合炉材料,電子顕微鏡/Electron microscopy,集束イオンビーム/Focused ion beam,電子回折/Electron diffraction,エリプソメトリ/Ellipsometry
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
嶋田 雄介
所属名 / Affiliation
東北大学 金属材料研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
今野豊彦
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
TU-504:超高分解能透過電子顕微鏡
TU-507:集束イオンビーム加工装置
TU-508:集束イオンビーム加工装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
主に核融合炉において応用が期待されているCu合金や鉄基合金などの金属・合金材料について、各種電子顕微鏡を用いたマルチスケールあるいはマルチディメンジョンでの組織解析を行う。得られた成果は強度特性とも併せてプロセス改善の指標とする予定である。
実験 / Experimental
試料となるバルクCu合金は利用者の研究グループにおいて、Cu粉末とCu-Y化合物粉末をメカニカルアロイングで混合し、熱間等方加圧(HIP)焼結によって作製した。今回の試料の特徴は酸素供給源を従来の酸化物の添加から、原料粉末の熱酸化被膜の利用へと変化させたことにある。得られた試料について、東北大ARIM事業装置である透過電子顕微鏡(TEM)により組織観察を行った。また、TEM試料作製には同じく共同利用装置である集束イオンビーム(FIB)を用いた。
結果と考察 / Results and Discussion
今回作製した酸化物分散強化(ODS)-Cu合金は従来のものと同様にCu粒径が二極化したバイモーダルな組織であったが、これまで脆化の要因となっていた微細Cu粒領域の幅が広くなるなど組織均一化への変化がみられた。また、図1に示すように、粗大Cu粒内において微細なY2O3粒子が分散している様子もみられ、粒内強度の向上も期待される組織となっていた。実際に本合金について曲げ試験による機械強度評価を行ったところ、従来バルクよりもわずかな降伏強度の低下がみられた一方で、延性においては曲げひずみが10%を超えても破断しないなど非常に大きな改善がみられた。本成果は、今後のODS-Cu合金の作製プロセス設計において有用な知見であり、すでに本結果を基にしたプロセス改善を進めているところである。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 粗大Cu粒内のHAADF-STEM像(a)およびEDSによる元素分析結果(b)
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
特になし
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 嶋田雄介、中嶋優汰、菱沼良光、池田賢一、能登裕之、室賀健夫、吉田健太、今野豊彦、永井康介、“新規新規酸素添加手法により作製したMA-HIP法ODS-Cu合金の微細組織”、日本金属学会171回秋季講演大会、口頭、2022/9/23
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件