【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.24】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22NM0091
利用課題名 / Title
絶縁膜上に形成したシリサイド半導体BaSi2膜の特性評価
利用した実施機関 / Support Institute
物質・材料研究機構 / NIMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
蒸着・成膜/Evaporation and Deposition,熱電材料
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
末益 崇
所属名 / Affiliation
筑波大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
木戸 一輝,長谷部 隼,Rui DU,竹中 晴紀,都甲 薫
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NM-633:SiO2プラズマCVD装置 [PD-220NL]
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
BaSi2は資源が豊富な元素で構成され、バンド端での状態密度が急峻な半導体である。また、不純物ドーピングによる伝導型およびキャリア密度が可能である。最近の研究で、熱伝導率が極めて小さいことが分かっており、熱電材料として期待される。BaSi2膜の熱電特性は、基板での電気伝導を防ぐため絶縁基板上に形成した試料で評価することが求められる。本研究では、絶縁体Si3N4膜上にBaSi2膜を堆積することを目的とした。
実験 / Experimental
プラズマCVD法により、Si(111)基板上に基板温度250℃、窒素ガス雰囲気で膜厚100nmのSi3N4膜を形成した。その後、BaSi2とBaまたはSiターゲットを同時にスパッタする方法で、膜厚350 mのBaSi2膜を基板温度600℃で堆積した。堆積時、BaSi2ターゲットへの投入パワーを70Wに固定し、BaまたはSiターゲットへの投入パワーを、それぞれ50-80Wおよび30-70Wの範囲で変えた。形成した薄膜試料について、Raman分光法でBaSi2の形成の確認を、Hall測定で伝導型およびキャリア密度を評価した。測定は室温で行った。
結果と考察 / Results and Discussion
図1に、Ramanスペクトルを示す。Ag, Fg, Egは、BaSi2中のSi四面体に由来する振動モードであり、全ての試料でBaSi2が形成したといえる。しかし、Baターゲットへの投入パワーの減少(もしくは、Siターゲットへの投入パワーの増加)にともない、ピーク強度は顕著に減少した。図2に、Hall測定の結果を示す。Baターゲットを用いた試料では、ホール電圧が安定せず、信頼できる結果が得られなかった。一方、Siターゲットを用いた試料では伝導型はn型であり、投入パワーの増加にともない電子密度は増加した。キャリア密度の増加に伴い移動度が極端に減少したため、ドナー型の欠陥が生成したといえる。今後、熱電特性を評価する予定である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1. BaSi2ターゲットへの投入パワーを70Wに固定し、BaおよびSiターゲットへの投入パワーを変えて堆積した試料のラマンスペクトル
図2. 作製した試料の室温における電子密度および電子移動度
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件