利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.23】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT1185

利用課題名 / Title

架橋カーボンナノチューブの作製と分光計測

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

リソグラフィ/Lithography,蒸着・成膜/Evaporation and Deposition,EB,ナノチューブ/ Nanotube


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

千足 昇平

所属名 / Affiliation

東京大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

神前 航輝,日下部 健太

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-505:レーザー直接描画装置 DWL66+2018
UT-854:オージェ分光分析装置
UT-711:LL式高密度汎用スパッタリング装置(2019)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

カーボンナノチューブ(Carbon ,CNT)の光学物性は基板や他の物質との接触によって大きく変化するため,その効果(環境効果)を明らかにすることはCNT物性の解明に非常に重要である.その為,CNTをスリット等に架橋させた架橋CNT構造は,環境効果が排除された理想的な構造であり,これまでも多くの研究がなされてきた.架橋CNT構造の構築に様々な試みがなされてきたが,長さの限界や架橋効率の低さなど課題となる点も多い.架橋CNTの新たな構築方法として,グラフェンや六方窒化ホウ素(h-)など2次元原子層状物質で広く用いられているポリマーによる転写方法が挙げられるが,まだ実現には至っていない.そこで,本研究課題ではポリマーによるCNTの転写法を開発し,それを応用することによって長尺なCNTをスリット基板に架橋させる技術を開発し,得られた架橋CNTの分析を行うことを目的とする.

実験 / Experimental

架橋CNTのための,スリット付シリコン基板を作製した.架橋CNTの光学分析のために,テーパー構造のあるスリットが必要であるため,両面にSiO2層を形成した酸化膜付シリコン基板に対し,異方性エッチングを行った.また,h-やグラフェンサンプルの分析の際,オージェ電子分光計測による計測を行った.

結果と考察 / Results and Discussion

酸化膜付シリコン基板のエッチングにKOHを用いることで,計画通りのテーパー付スリット構造の構築ができた.さらに,h-と単層CNTを積層させたものを転写することで,単層CNT/h-の架橋構造の実現に成功した.この単層CNT/h-の架橋構造に対し,ラマン散乱分光計測を行うことで,単層CNTが理想的な架橋構造を形成していることが明らかになった.図に(a)スリットに合成しヘテロ化を行った架橋ナノチューブと,(b)カーボンナノチューブのレイリー散乱イメージ像を示す.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図(a) 基板に作製したスリット構造に直接CVD合成した単層カーボンナノチューブのSEM像および(b)ナノチューブのレイリー散乱イメージ像.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. *K. Kozaki, K. Kusakabe, H. Nishimura, R. Kaneda, K. Otsuka, S. Maruyama, S. Chiashi, Direct-growth of outer carbon nanotubes surrounding single-walled carbon nanotubes," International Winterschool on Electronic Properties of Novel Materials (IWEPNM 2023) (Kirchberg in Tirol, Austria)
  2. *金田 遼太郎,神前 航輝,佐藤 周,丸山 茂夫,千足 昇平, (A133) "単層カーボンナノチューブにおける水内包のレイリー散乱光分析." 熱工学コンファレンス2022 (東京大学,東京).
  3. *金田 遼太郎,神前 航輝,佐藤 周,丸山 茂夫,千足 昇平, (D123) "単層カーボンナノチューブにおける水吸着のレイリー散乱分光分析." 第59回日本伝熱シンポジウム, oral, 岐阜県,長良川国際会議場
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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