【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.25】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22UT1145
利用課題名 / Title
テラヘルツ電場誘起電子トンネリング計測用金属ナノギャップデバイスの作製
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
ワイヤボンディング、テラヘルツ波,高周波デバイス/ High frequency device
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
片山 郁文
所属名 / Affiliation
横浜国立大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
岡亮太朗
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術相談/Technical Consultation
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
本プロジェクトでは電子線描画装置で作製したナノギャップデバイスにおいてテラヘルツ波を照射することによって生じる非線形電流を計測し、電子デバイスにおけるテラヘルツ波に対する応答を調べることを目的とした。そのために昨年度ARIMにおいて作製したナノギャップデバイスに高強度テラヘルツパルスを照射し、誘起される電流量を計測した。
実験 / Experimental
LiNbO3プリズムに対してパルス面傾斜法によって波面を傾斜させた超短パルスレーザーを照射することによって、高強度のテラヘルツパルスを発生させ、ARIMにおいて作製したナノギャップデバイスにおける電流を計測した。4端子のナノギャップデバイスを作製し、そのそれぞれにARIMのワイヤーボンダーを用いて導線を接続し、ギャップのある電極間に誘起電流が流れるかどうかを微小電流計測器によって調べた。
結果と考察 / Results and Discussion
その結果、ARIMにおいて作成したナノギャップデバイスにおいては、テラヘルツ波によって誘起される電流を計測することはできなかった。そこで、別途所属大学において光リソグラフィーを用いて半導体上に図に示したような電極構造を作製し、ARIMのワイヤーボンダーも活用しつつ導線を配線し、そのデバイスのテラヘルツ波に対する応答を見た。その結果、作成したデバイスでは微小な誘起電流を観測することができた。このことは、通常の大気中でのナノギャップでは電子放出のためのエネルギーが大きく、十分な量の電子がトンネルできないためであると考えられる。ギャップ幅が数nmの構造であれば、トンネル電流の計測も可能であると考えられるが、ARIMにおける電子線リソグラフィーでその構造を作ることは難しいため、真空ギャップを扱う場合は、より小さいスケールの加工が可能な別の作製方法を検討する必要があることが分かった。一方で、所属大学で作成したデバイスではTHz電流が観測できたことから、原子層半導体上に電極を作ることによって非線形電流を流すことはできるものと考えられる。今後はこれらの結果をもとに、THzデバイスの評価を進める予定である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
作成した単層MoS2テラヘルツデバイスと、誘起電流のテラヘルツ電場強度依存性。
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件