【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.19】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22UT1137
利用課題名 / Title
ナノ材料-ナノフォトニクスハイブリッドデバイスの開発
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
膜加工・エッチング/Film processing and Etching,スパッタリング/Sputtering,EB,原子層薄膜/ Atomic layer thin film,ナノシート/ Nanosheet
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
山下 大喜
所属名 / Affiliation
理化学研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-503:超高速大面積電子線描画装置
UT-604:高速シリコン深掘りエッチング装置
UT-900:ステルスダイサー
UT-500:高速大面積電子線描画装置
UT-704:高密度汎用スパッタリング装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
グラフェン、遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)、六方晶窒化ホウ素などの二次元(2D)層状材料は、その特異な物性と多様な応用の可能性から、大きな注目を集めてきました。マクロな領域で原子レベルの厚みを持ち、ファンデルワールス界面がもたらす幅広い互換性を持つフォトニックデバイスは、ナノテクノロジーにおける新たな方向性を示すと期待されています。しかし、TMDによる微小共振器の制御は困難であり、共振モードもほとんど影響を受けません。ここでは、二次元材料との相互作用を高めるために、ナノビーム共振器を空気モードとなるように特別に設計・作製を行いました。
実験 / Experimental
電子ビームリソグラフィーと誘導結合プラズマエッチングを用いて、silicon-on-insulator基板からナノビーム空洞を作製し、二セレン化タングステン(WSe2)フレークをポリマースタンプ法により共振器上に転写しました。作製したデバイスに対して、自作の共焦点フォトルミネッセンス顕微鏡を用いて、WSe2転写前後の基本モードを比較することにより、室温での二次元材料との相互作用を評価しました。
結果と考察 / Results and Discussion
スペクトルには単一の鋭いピークが観測され、これが基本モードであると同定できました。空気モード共振器は、転写後に26.0 nmの長波長シフトを示し、これは平均誘電率の変化に起因します。この大きなシフトは、空気モードを利用することで共振器の応答性が向上したことを示しており、WSe2フレーク内の大きなモード重なりを示すシミュレーションと一致します。
また、WSe2フレークの厚さを原子レベルの精度で制御することにより、単層の限界まで極めて高い感度を示すことができました。WSe2の厚さを一層ずつ薄くしていくと、波長シフトが3 nmずつ減少していくことが確認されました。モードシフトが実際に量子化されていることを示す、明確な分解されたステップが観察できました。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1. 1層、2層、3層、4層WSe2/共振器ハイブリッドの共振波長シフト
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
Parts of this study are supported by JSPS (KAKENHI JP20H02558, JP20K15199, JP20J00817, JP20K15137, JP20K15120, JP19K23593, JP18H03864, JP19H00755, JP21H05237, JP21H05232), MIC (SCOPE 191503001), and MEXT (Nanotechnology Platform JPMXP09F21UT0011). The growth of hBN crystals was supported by the Elemental Strategy Initiative conducted by the MEXT, Japan (Grant Number JPMXP0112101001) and JSPS KAKENHI (Grant Numbers JP19H05790, JP20H00354 and JP21H05233). D.Y. is supported by JSPS (Research Fellowship for Young Scientists). N.F. and S.F. are supported by RIKEN Special Postdoctoral Researcher Program. The FDTD calculations were performed using the HOKUSAI BigWaterfall supercomputer at RIKEN. The authors thank the Advanced Manufacturing Support Team at RIKEN for technical assistance. The authors also thank H. Kumazaki for helpful discussion of the dimpled fiber fabrication.
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Nan Fang, Quantization of Mode Shifts in Nanocavities Integrated with Atomically Thin Sheets, Advanced Optical Materials, 10, (2022).
DOI: https://doi.org/10.1002/adom.202200538
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件