【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.15】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22UT1109
利用課題名 / Title
圧電MEMSデバイスの開発
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
圧電・焦電材料,スパッタリング/Sputtering,リソグラフィ/Lithography,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,電子顕微鏡/Electron microscopy,集束イオンビーム/Focused ion beam,X線回折/X-ray diffraction,セラミックスデバイス/ Ceramic device
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
矢吹 紘久
所属名 / Affiliation
アズビル株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-505:レーザー直接描画装置 DWL66+2018
UT-603:汎用高品位ICPエッチング装置
UT-604:高速シリコン深掘りエッチング装置
UT-711:LL式高密度汎用スパッタリング装置(2019)
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
圧電材料を用いたMEMSデバイス開発のため、東京大学のスパッタ装置やICP-RIE、レーザー直接描画装置、シリコン深堀装置といった各種設備を利用して圧電MEMSデバイスを作製した。圧電MEMSデバイスの共振周波数特性は、応用先によって適した周波数帯が異なるため、設計と実際に作製したデバイスの共振周波数が揃っている必要がある。今回、東京大学の設備を利用して作製した圧電MEMSデバイスのインピーダンス周波数特性と構造解析によって計算された共振点を比較し、作製したデバイスが設計通りに機能しているかを評価した。
実験 / Experimental
Si基板上に形成した圧電材料と金属から成る薄膜積層構造に対して、スパッタ装置、レーザー直接描画装置、ICP-RIE、シリコン深堀装置といった装置群を利用して、圧電材料が上下の電極によって挟まれたダイアフラム構造を作製した。また、作製したデバイスに対してインピーダンスアナライザーを用いてインピーダンス周波数特性を評価することで、デバイスの共振周波数が構造解析によって算出された周波数と同程度のデバイスであるかどうかを確認した。
結果と考察 / Results and Discussion
Fig.1に圧電材料と金属から成る積層膜の断面構造を示す。積層膜は、上部電極(Pt/Ti)/圧電材料(AlN)/下部電極(Pt/Ti)/ストップ層(AlN)で構成されており、この積層構造に対して、上部電極のパターン形成、下部電極開口、裏面Siの深堀工程などを経てデバイスを作製した。また、Fig.2のインピーダンスの周波数特性からも示されているように、特定の周波数位置(627.5kHz)で共振点が現れており、作製したデバイスが圧電性を示すことが確認された。デバイスの共振点は、ダイアフラムを構成する材料の物性、ダイアフラム径、膜厚などによって定まることが知られており、構造解析によって算出された解析値608.6kHzと比較して作製したデバイスの共振点は627.5kHzと近い値を示しており、設計に近い形状でデバイスが作製できていることが示されている。設計に対して若干共振点が高くなった要因としては、構造解析モデルと実際のダイアフラム膜厚や裏面深堀時に形成されるダイアフラム径との誤差が考えられ、各種プロセスの条件を追い込むことによって改善可能な見込みである。今後は作製したデバイスを用いて圧電デバイスの基本特性を評価し、各種応用先への適用可能性を評価する予定である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
積層構造断面図
インピーダンス周波数特性
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件