【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.04.27】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22UT1099
利用課題名 / Title
Fogging Effect低減のための分割プロセスによるリフトオフパターン作製方法について
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
電子ビームリソグラフィー,電子線描画、近接効果補正、Fogging effect,リソグラフィ/Lithography,高品質プロセス材料/ High quality process materials
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
新関 嵩
所属名 / Affiliation
Bush Clover株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-503:超高速大面積電子線描画装置
UT-508:電子線描画用近接効果補正ソフト
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
電子ビームリソグラフィー法を使ってレジストパターンを作製する際に、大面積に露光を行うと、基板から反跳した反射電子が対物レンズにぶつかり、再度レジストに反応することで露光されてしまうFogging Effectという現象が知られている[1]。
パターンの露光部の割合(以下、Coverageとする)によっては、Fogging Effectにより未露光部にも非常に高いエネルギーが照射されており、場合によっては図1で示すように、レジストパターンがほとんど消失してしまうような高いエネルギーになることもある。
Fogging Effect Correction(FEC)という露光量を補正する技術[1]もあるが、未露光部に対しては補正が掛けられないため、図1のような状況に対しては有効ではない。
本手法では、図2で示すように、アライメントマークを使って、プロセスを複数回に分割することで、実効的なCoverageを下げ、レジストパターンが消失しない程度にFogging Effectの効果を下げる方法について記す。
実験 / Experimental
6インチ基板上に、ZEP-520Aを300nm狙いで塗布する。
パターンは、4μmピッチの3μm□のパターンで、その時のCoverageは56.25%である。
描画エリアは20mmとする。この描画エリアを、1mm単位のブロックに分割し、図2で示すように、市松模様になるように1回目の描画領域と、2回目の描画領域に分割する。
1回目の露光時にはアライメントマークも同時に露光し、2回目の露光時にはそのアライメントマークを使用して、2回目のパターンの位置決めを行う。
露光には、F7000S-VD02を使用した。またリフトオフパターンのエッジのバリを低減する目的で、BEAMERのShape PEC機能を使用してパターン変換を行っている。
現像は、ZED-N50(22℃)を用い、3分間実施した。リンスはIPAを用い15秒行った。
1回目の露光および現像後、パターンをリフトオフにて転写するため、Cr 10nm / Au 100nmの条件で、EB蒸着を行い、リフトオフ工程を実施した。
その後、1回目と同じ条件にて、EB描画・現像・リフトオフを行い、パターンを電子顕微鏡にて観察した。
結果と考察 / Results and Discussion
本手法で作製したリフトオフパターンのSEM写真を、図3に示す。
当初の想定通り、Fogging Effectの影響が低減し、未露光部も問題なくレジストパターンが残ることで、良好なリフトオフパターンが得られた。
また、この図は、1回目のリフトオフで作製した部分と、2回目で作製した部分のちょうど境界部分を撮影したものであるが、それぞれの寸法精度およびピッチについては、10nm以下の誤差であった。
この点においてもフォトニック結晶やメタマテリアルのような周期性やパターン均一性が重要なデバイスにおいても有効な手法であると考える。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 Fogging Effectによるレジストパターンの喪失
図2 分割作製プロセスによるFoggin Effectの低減のための手法
図3 分割作製プロセスによって作製されたリフトオフパターン
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
[1] P. Hudek, U. Denker, D. Beyer, N. Belic and H. Eisenmann, "Fogging effect correction method in high-resolution electron beam lithography", Microelectron. Eng., vol. 84, no. 5, pp. 814-817, 2007.
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件