【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.26】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22UT1098
利用課題名 / Title
ガラス製ナノ流路の作製と観察
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
マイクロ空間、化学プロセス、ナノ空間、ナノ流路、マイクロ流路,膜加工・エッチング/Film processing and Etching
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
北森 武彦
所属名 / Affiliation
東京大学NMfD機構
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
森川響二朗,太田諒一,佐野大樹,北森武彦
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
マイクロ空間を利用して様々な化学プロセスを集積化したマイクロ流体デバイスは化学・バイオの分野において注目を集めている。北森研究室では混合・反応・抽出など化学の単位操作をマイクロ空間に集積化することで、複雑な化学プロセスを1枚のガラス基板上で実現することに成功した。さらに、空間サイズが可視光の波長よりも小さい10-100 nmの拡張ナノ空間へと研究を展開し、単一細胞由来の可算個タンパク分子の高選択的分析(拡張ナノ免疫分析)など体積fL(10-15 L)・単一・可算個分子という分析化学の極限を追求してきた1。10-100 nm流路の加工はこのような研究を展開するために必要不可欠な基盤技術である。北森研究室ではこれまでにガラス基板のリソグラフィ、エッチング等の様々な加工技術を開発し、マイクロ・拡張ナノ流体デバイスを作製してきた。しかしながらナノ流路やマイクロ流路といった超微小流路を有するガラス基板を高い精度で切断することは困難であった。昨年に引き続き、超微小流路をガラス基板に作製し、ダイシング装置によって基板を切断したデバイスを観察した結果を報告する。
実験 / Experimental
ガラス基板にプラズマエッチングを行うことによってマイクロ・拡張ナノ流路を作製した。さらにエッチング後の基板同士を貼り合わせて接合後、ダイシング装置DAD3650を用いて基板を切断することで、側面に開口を設けた。
結果と考察 / Results and Discussion
Fig.1のように、マイクロ・ナノ流路をガラス基板上に構築したマイクロチップの作製に成功した。また、Fig.2のように、ダイシングソーでの切断により、切粉による閉塞や流路断面形状の変形もなく、基板側面に開口する流路を作製できた。以上のようにナノテクノロジープラットフォーム東大拠点の装置を利用することで、幅・深さ100 nmオーダの流路の加工及び観察に成功し、さらに基板側面に開口のある流路を設けることができた。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1
Fig. 2
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
・参考文献 1. K. Mawatari, et. al, Anal. Chem., 86, 4068 (2014)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Hiroki Sano, Nanofluidic analytical system integrated with nanochannel open/close valves for enzyme-linked immunosorbent assay, Lab on a Chip, 23, 727-736(2023).
DOI: 10.1039/d2lc00881e
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Koki Yamamoto, Kinetics of Enzymatic Reactions at the Solid/Liquid Interface in Nanofluidic Channels, Analytical Chemistry, 94, 15686-15694(2022).
DOI: 10.1021/acs.analchem.2c02878
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Yuto Takagi, Femtoliter-Droplet Mass Spectrometry Interface Utilizing Nanofluidics for Ultrasmall and High-Sensitivity Analysis, Analytical Chemistry, 94, 10074-10081(2022).
DOI: 10.1021/acs.analchem.2c01069
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- H. Sano et. al, Proceedings of MicroTAS, 1019 (2022)
- K. Morikawa et. al, Proceedings of MicroTAS, 853 (2022)
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件