利用報告書 / User's Report

【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.04.27】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT1084

利用課題名 / Title

17×3分割ビームスプリッターの開発

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

フォトニクス,回折光学素子,光学材料・素子,成形/Molding,リソグラフィ/Lithography,EB,光導波路/ Optical waveguide,MEMSデバイス/ MEMS device


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

北山 清章

所属名 / Affiliation

SCIVAX株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

藤原誠

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-503:超高速大面積電子線描画装置
UT-800:クリーンドラフト潤沢超純水付


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

DOE(Diffractive Optical Element)は光の回折現象を利用し、レーザー光を空間的に分岐させる機能を持つ。DOE表面で回折を起こす為には、光の波長に対応するナノメートルオーダーの微細な構造を設計・製作する必要があり、目的の光照射パターンに対応する表面形状を探索する研究開発が近年加速している。特にバイナリ型と呼ばれる、表面に凹・凸2パターンが周期的に並んだシンプルなものがビームを数点~数十点に分割するスプリッターとして注目を浴びている。これについて弊社では設計検討を進め、昨年度は3×3=9分割の広角ビームスプリッターの設計・製作に成功した。しかし、より多数に分割するスプリッターに関してはビーム分割数に応じてパターン構造・設計が複雑になる為難航していた。そこで今年度設計手法の見直しを行った結果、数十分割程度のスプリッターまで設計可能となった。本報告では17×3=51分割のビームスプリッターを電子線描画(直描)で製作し、SEMで観測した結果を記す。

実験 / Experimental

【利用した主な装置】 超高速大面積電子線描画装置、クリーンドラフト潤沢超純水付 【実験方法】 東京大学武田先端知スーパークリーンルームにて、シリコンウェハをAPM(Ammonia hydrogen Peroxide Mixture)に80℃10分で浸漬させて洗浄した後エアブローし、110℃90[sec]で脱水した。ウェハ上にOAPを3000[rpm]30[sec]、CAP-112レジストを3750[rpm]60[sec]で順にスピンコートし、それぞれコート後に110℃60[sec],180℃300[sec]で加熱した。電子線描画で周期的な凹凸型パターンを直描、110℃90[sec]で加熱後NMD-Wに60[sec]浸漬させて現像、純水でリンスした後エアブローし、110℃90[sec]で加熱した。 得られたパターンを弊社へ持ち帰ってSEMで観測し、目的の形状が得られているか調べた。また、パターン構造をガラスにインプリント後、赤外光を当てて光学特性を調べた。

結果と考察 / Results and Discussion

Fig.1にSEMで観測したパターン表面の内、最も複雑な部分を示し、Fig.2に比較用の設計画像を示す。設計図は矩形の集合体で構成されており、最小で1pixel=170[nm]のジグザグが存在する。CAPレジストを用いた直描では細かいジグザグが潰れてしまうのではと危惧していたが、実際にはほとんど正確に描画出来ていた。Fig.3にSEMで観測したパターン断面図の一部を示す。テーパ・逆テーパがついており垂直性はやや悪い。しかし光学特性において大きな悪影響は無く、概ね設計通りビームが17×3=51分割される事を確認した。 今回の結果から、本設計・製作手法を用いて多種のビームスプリッターを同様に製作出来ると期待でき、今後も高性能なビームスプリッターの実現を目指す。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 レジストパターンの表面SEM像図(濃灰色=描画領域)



Fig. 2 パターン表面設計図(黄色=描画領域)



Fig. 3 レジストパターンの断面SEM像


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

・参考文献 微細加工プラットフォームコンソーシアム利用報告書F-21-UT-0150「広角ビームスプリッターの開発」・共同研究者 小川大貴(SCIVAX)、楊哲(SCIVAX)、坂口綾菜(SCIVAX) ・「マテリアル先端リサーチインフラ ARIM」支援室 藤原誠様に感謝します。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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