【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.04.27】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22UT1034
利用課題名 / Title
パリレンC厚膜構造体の密着性
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
リソグラフィ/Lithography,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,スパッタリング/Sputtering,蒸着・成膜/Evaporation and Deposition,高品質プロセス材料/ High quality process materials
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
渡辺 茂高
所属名 / Affiliation
キヤノン電子株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-709:パリレンコーター
UT-504:光リソグラフィ装置MA-6
UT-603:汎用高品位ICPエッチング装置
UT-606:汎用平行平板RIE装置
UT-703:8インチ汎用スパッタ装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
シランカップリング剤KBM-503(信越化学工業株式会社)を塗布することで、セラミック基板とパリレンC厚膜構造体の密着性を改善した。
実験 / Experimental
【利用した主な装置】
卓上アッシング装置、光リソグラフィ装置MA-6、汎用高品位ICPエッチング装置、汎用平行平板RIE装置、8インチ汎用スパッタ装置、パリレンコーター、クリーンドラフト潤沢超純水付、形状・膜厚・電気特性評価装置群
【実験方法】
0.5 wt.%のKBM-503溶液(純水:IPA=9:1)を作製して、セラミック基板に塗布し乾燥させる。クリーンドラフト潤沢超純水付と卓上アッシング装置(FA-1)を用いて、セラミック基板に超音波洗浄とプラズマ洗浄を行う。続いて、パリレンコーター(PDS2010)と8インチ汎用スパッタ装置(SIH-450)により、基板に厚さ25 µmのパリレンCと厚さ0.1 µmのAl-Si薄膜を成膜する。更に、光リソグラフィ装置(MA-6)とクリーンドラフトを用いて、厚さ1 µmのJSR77090G(JSR株式会社) フォトレジストパターンを積層する。レジストパターンをエッチングマスクとして、混酸アルミエッチング液(関東化学株式会社)で不要なAl-Si薄膜を除去し、レジストパターンを剥離液104(東京応化株式会社)で除去すると、パリレンCの表面にAl-Si薄膜パターンが形成される。このパターンをマスクとして、汎用平行平板RIE装置(RIE-10NR)により不要なパリレンCを酸素プラズマアッシングで除去し、汎用高品位ICPエッチング装置(NE-550)でAl-Si薄膜パターンを塩素系ドライエッチングで除去すると、セラミック基板表面にパリレンC厚膜構造体が作製される。また、厚膜構造体とフォトレジストパターンの厚みは形状・膜厚・電気特性評価装置群(DektakXT)で測定された。
結果と考察 / Results and Discussion
Fig.1にKBM-503溶液を塗布しなかったパリレンC厚膜構造体を示す。中心から端部にかけて構造体が基板から剥離し干渉縞が見えている。剥離した原因は、パリレンCとセラミック基板の密着性が低いことや、通常のパリレンC薄膜と比べて厚みが大きいことにより、成膜時に大きな膜応力が生じたと推測する。Fig.2にKBM-503溶液を塗布した厚膜構造体を示す。剥離に伴う干渉縞が見えず、セロハンテープを用いた90度剥離試験後も変化は無かった。シランカップリング剤を試料に塗布・乾燥させると、表面に単分子膜が形成される。KBM-503の単分子膜は、分子中に2個の異なった反応基を持ち、一つは無機質材料と化学結合するメトキシ基、もう一つが有機質材料と化学結合するメタクリル基である。メタクリル基とパリレンCの相性が良いため、密着性が向上したと考える。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig.1 Sample before improvement
Fig.2 Sample after improvement
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
本実験を行うにあたり、様々なご協力を頂きました東京大学大学院 水島彩子様に深く感謝致します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件