利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2024.07.01】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22QS0124

利用課題名 / Title

電子デバイス内部に実装された単結晶ナノ粒子の非破壊三次元構造可視化技術の確立II

利用した実施機関 / Support Institute

量子科学技術研究開発機構 / QST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials

キーワード / Keywords

強誘電体セラミックス,X線回折/X-ray diffraction,放射光/Synchrotron radiation,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control,ナノ粒子/ Nanoparticles


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

黒岩 芳弘

所属名 / Affiliation

広島大学大学院先進理工系科学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

福島凪世,白川皓介,Kim Sangwook,上野慎太郎

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

大和田謙二,押目典宏,町田晃彦

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

QS-221:コヒーレントX線回折イメージング装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

我々が量研機構と共に開発してきた一粒子3次元構造可視化技術(Bragg Coherent Diffraction Imaging(Bragg-CDI)法)を積層セラミックコンデンサ(MLCC)等の電子デバイス内部の一粒子計測に適用することを目指して、今期は、電場印加下でのセラミックスの中のナノドメインひと粒(単結晶)の構造をBragg-CDI法で非破壊でオペランド計測可能であることを確認した。

実験 / Experimental

【利用した装置】:コヒーレントX線回折イメージング装置
【実験方法】
実験試料には、BaTiO3セラミックスのバルク平板と荒く粉砕した粉体を使用した。X線エネルギーは用途に応じて8 keVまたは25 keVとした。試料ホルダーには専用に開発したホルダーを用いた。粉体試料に関しては、エタノールで分散させた粉末試料をホルダーに塗布し乾燥させた。平板試料に関しては、電極付けを行い、専用の絶縁ホルダーに搭載した。これらの試料からスペックルパターンの3次元データ取得を行い、データ取得後に位相回復解析をその場で行った。

結果と考察 / Results and Discussion

(1) セラミックス試料のキャラクタリゼーション
荒く粉砕した粉体試料中の一粒子の温度変化を計測することで、セラミックス試料本来の振舞いを調べた。MLCCには添加剤入りの実用材料が搭載されているので、比較する際の純粋な材料として基本データとなる。8 keVのX線を用い、Bragg-CDI法により外形やメソスケール内部構造を明らかにした。併せて、それらの相転移挙動(温度依存性)を300℃までの温度範囲で調べた。
(2) 電場印加実験
25 keVのX線を用い、平板セラミックス試料に電場を印加しながら一粒子の電場依存性を計測した。ドメインなどの結晶内部のひずみが電場によってどのように変化するかを追跡することに成功した。今回の実験から、実用材料であるMLCCの計測を行う上で必要な経験を得ることができた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Norihiro Oshime, Lattice strain visualization inside a 400 nm single grain of BaTiO3 in polycrystalline ceramics by Bragg coherent X-ray diffraction imaging, Japanese Journal of Applied Physics, 62, SM1022(2023).
    DOI: 10.35848/1347-4065/ace832
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 大和田謙二、押目典宏、菅原健人、島田歩、町田晃彦、綿貫徹、黒岩芳弘、”ブラッグコヒーレントX線回折イメージング法によるナノ結晶非破壊3次元イメージング”、第38回分析電子顕微鏡討論会(熊本)、令和5年11月30日
  2. 押目典宏、”Bragg-CDI法を用いた数十―数百nmサイズ結晶一粒内部の歪分布3次元可視化”、2023年度日本結晶学会年会(宇部)、令和5年10月29日
  3. 押目典宏、”BraggコヒーレントX線回折イメージング法による微結晶一粒子の非破壊観察”、第15回⽇本放射光学会若⼿研究会(吹田)、令和5年9月12日
  4. 押目典宏、”BraggコヒーレントX線回折イメージング法を用いた数十〜数百nmサイズの結晶一粒子の外形とその内部の歪分布の非破壊可視化”、日本物理学会第78回年次大会(仙台)、令和5年9月17日
  5. 押目典宏、”Bragg-CDIによる微小材料粒子の歪み分布の可視化研究”、第4回SPring-8放射光利用技術研究会(オンライン)、令和5年11月16日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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