利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2024.06.27】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22QS0104

利用課題名 / Title

ガンマ線光子相関時間測定系の開発研究

利用した実施機関 / Support Institute

量子科学技術研究開発機構 / QST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)その他/Others

キーワード / Keywords

光子相関時間測定,ガンマ線制御,メスバウアー分光,放射光/Synchrotron radiation,スピン制御,量子効果


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

瀬戸 誠

所属名 / Affiliation

京都大学複合原子力科学研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

山下拓之,北尾真司,小林康浩,黒葛真行,太田英寿,増田亮

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

三井隆也,藤原孝将

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

QS-111:放射光メスバウアー分光装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

近年メスバウアー効果に基づくガンマ線を用いた量子光学研究が急速に進展している。本研究では単一振動によるコヒーレントガンマ線の生成を目指し、集光超単色X線によるマッピング測定を行い、振動吸収体における振動分布の存在を明らかにした。さらに、このような研究進展のために、制御のための外部摂動パラメータなどを事前に設定しなくても測定後に選択可能とする自由度を持った測定系の開発を実施した。

実験 / Experimental

【利用した装置】:放射光メスバウアー分光装置
【実験方法】
量子科学技術研究機構の専用ビームラインBL11XUに設置されている核モノクロメータを利用して超単色X線を生成し100 μmに集光し、PVDフィルムにステンレスフォイルを蒸着した試料と水晶振動子にFe-V合金を蒸着した試料に照射し、透過X線のメスバウアースペクトル測定を行った。PVDフィルムは10 MHz、水晶振動子は20 MHzで振動させた。

結果と考察 / Results and Discussion

基本波に対する高次振動の相対強度が吸収体の振動振幅を反映しているため、その相対強度の照射位置依存性を測定することで振動振幅の分布をマッピングした。その詳細については現在解析中であるが、特にPVDフィルムにおいてはこのビームサイズにおいてはほぼ振動数分布のない単一の振動数で分布していることが示唆される結果となった。測定例をFig. 1に示す。
さらに、振動子駆動用のファンクションジェネレータからの制御信号、放射光パルス信号およびガンマ線光子との相関時間測定については、高速MCS(Multi-Channel Scaler)システムを用いた相関時間スペクトル測定を実施し、測定後に時間スペクトルを再現可能であることを確認できた。この詳細な結果についても現在解析中である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 PVDフィルムにステンレスフォイルを蒸着し、10 MHzで振動させた場合のメスバウアースペクトル


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

・科学研究費補助金「相関コヒーレントガンマ線の波形・偏光制御」21K12535
・量子科学技術研究開発機構の三井隆也上席研究員および藤原孝将研究員に感謝いたします。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Hiroyuki Yamashita, Measurement of the sub-nanometer vibration amplitudes using 57Fe synchrotron Mössbauer source, Interactions, 245, (2024).
    DOI: 10.1007/s10751-024-01854-9
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Makoto Seto, Hiroyuki Yamashita, Shinji Kitao, Yasuhiro Kobayashi, Hidetoshi Ota, Ryo Masuda, Kosuke Fujiwara, Takaya Mitsui, "Measurement of the Sub-Nanometer Vibration Amplitudes Using 57Fe Synchrotron Mössbauer Source", XXXVII International Conference on the Applications of the Mössbauer Effect (Cartagena de Indias, Colombia), 令和5年9月6日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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