【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.04.27】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22QS0010
利用課題名 / Title
Li-Re 系遷移金属錯体水素物の高温高圧合成過程におけるLi2O 添加効果
利用した実施機関 / Support Institute
量子科学技術研究開発機構 / QST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion
キーワード / Keywords
高密度水素化物,固体電解質,X線回折/X-ray diffraction,放射光/Synchrotron radiation,全固体電池/ All-solid battery
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
髙木 成幸
所属名 / Affiliation
東北大学金属材料研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
安達淳
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
齋藤寛之
利用形態 / Support Type
(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
高水素配位錯体水素化物は、単一の遷移金属元素に多数の水素が配位した高水素配位錯イオンと、アルカリ金属やアルカリ土類金属の陽イオンからなるイオン結晶であり、理論計算により、優れたイオン輸送の発現が予測されている。本課題では、Reに9つのHが配位した錯イオンReH92-と、4つのLi+、2つのH-からなるLi4ReH9の高圧合成過程において、他の高水素配位錯体水素化物にて反応促進剤となることが確認されているLi2Oの添加効果を確認するため、高温高圧水素化過程の放射光その場観察を実施した。
実験 / Experimental
【利用した装置】:高温高圧プレス装置
【実験方法】
東北大学金属材料研究所にてあらかじめミリング処理したLiHとRe、Li2Oの混合粉末を出発物質とし、SPring-8 BL14B1に設置された高温高圧その場観察システムを利用して、800℃、5GPaまでの温度圧力範囲にて高温高圧水素化過程のその場観察を実施した。
結果と考察 / Results and Discussion
いずれの温度圧力条件での水素化過程においても、水素源の水素放出開始直後直ちに反応が進行し、特にLiH:Re:Li2O=4:1:0.2の混合比で調整した出発物質を用いた実験においては、加熱後約10分と極めて早いタイミングで出発原料に含まれるReからの回折ピークがほぼ消失し、形成反応が完了した。本実験により、Li2Oを少量添加することで、従来観測されていた競合相の形成が抑制されるとともに、目的物質を高純度かつ速やかに得られることが明らかとなった。今後は東北大学金属材料研究所に設置された高温高圧合成装置を用い、今回得られた合成条件にて相応量の試料を合成するとともに、有機溶媒にて未反応の出発物質を除去し、交流インピーダンス測定を実施する。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
・公益財団法人村田学術進行財団研究助成「水素化物固体イオニクスの開拓」
・共同研究者:東北大学大学院環境科学研究科・安達淳
・齋藤寛之様(量子科学技術研究開発機構)、内海伶那様(兵庫県立大)の技術支援に感謝します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Yoshinori Ohmasa, Rotation of complex ions with ninefold hydrogen coordination studied by quasielastic neutron scattering and first-principles molecular dynamics calculations, Physical Review Research, 4, (2022).
DOI: 10.1103/PhysRevResearch.4.033215
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 安達淳, 高木成幸, 折茂慎一, “微量試料用電気化学セルの開発” 第143回金属材料研究所講演会, 令和4年11月29日.
- 安達淳, 高木成幸, 折茂慎一, “微量試料用電気化学セルの開発” 水素化物に関わる次世代学術・応用展開研究会第8回研究会, 令和4年12月2日.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件