【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.31】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22AT5027
利用課題名 / Title
溶液中高速AFM像の質に探針が与える影響の評価 ―形状における差異の検証―
利用した実施機関 / Support Institute
産業技術総合研究所 / AIST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials
キーワード / Keywords
走査プローブ顕微鏡/Scanning probe microscopy,リソグラフィ/Lithography,生体イメージング/ In vivo imaging,ナノワイヤー・ナノファイバー/ Nanowire/nanofiber
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
伊藤 大直
所属名 / Affiliation
株式会社生体分子計測研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
高速AFMは、従来型のAFMと同様に、振動させたカンチレバーの先端にある探針が試料表面を走査することにより像を取得する。カンチレバーと試料間に形成される空間にはバルク状態の水分子が存在しており、カンチレバーを振動させると水分子の粘性抵抗によってプローブや試料に対して好ましくない振動が発生する。これらの現象(スクイーズフィルム効果)は観察試料を低速で走査する従来型AFMであれば無視できる現象であったものの、観察試料を高速で走査する場合には、影響が顕在化すると考えられる。しかしながら、高速AFMは比較的新しい技術であり、スクイーズフィルム効果による像への影響はほとんど研究されてこなかった。スクイーズフィルム効果の検証には、形状等が同一で純粋に長さのみが異なる探針を準備することが望ましい。そこで、本研究においては、プラズマアッシングにより、探針形状を制御する方法の確立を目指す。
実験 / Experimental
カンチレバーBL-AC10D(OLYMPUS)に、RSPM(AT-504)の付帯設備であるSEMを利用して、EBD法を用いて探針を形成した後に、酸素雰囲気下で40 Wの出力によるプラズマアッシングを2時間実施した。その後、SEMにより計測を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
図1に所定の条件でプラズマアッシングを実施したプローブのSEM像を示す。プラズマアッシングの前後において、EBDプローブの先鋭化が確認された。画像解析ソフト上では、処理の前後で約20nm以下の差分が確認され、先端曲率半径は3 nm以下になっていると推測される。そのため、限界まで先端曲率半径を小さくすることで、形状が統一されたプローブを作製できる可能性がある。しかしながら、EBD探針の状態によってはプラズマアッシングにより根元から屈曲してしまう事例も確認された。このことから、先端のみを積極的に先鋭化する方法の確立が今後の課題である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1:プラズマアッシング後のプローブ形状の比較。画像左上はプラズマアッシング前のプローブ(a, d)、画像左下はプラズマアッシング後のプローブ(b, e)、右側はそれぞれを重ね合わせたSEM画像(cはaとb、fはdとeの重ね合わせ)。
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
井藤浩志博士(物質計測標準研究部門)による測定・探針作成に関する助言に感謝いたします。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件