利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2024.05.15】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22AT5011

利用課題名 / Title

ナノカーボン、セルロースを含むナノ材料構造解析

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

陽電子消滅法、ナノカーボン


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

小橋 和文

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-501:陽電子プローブマイクロアナライザー(PPMA)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

ナノカーボンを用いた膜や糸などの成形体は、様々な用途で部材として期待され実用化研究が進んでいる。用途に応じたプロセスで構造制御を行うにあたって、ナノ空間を含んだ構造を評価する必要がある。そこで、本研究では陽電子消滅法を用いてCNT膜の構造解析を行う。

実験 / Experimental

試料は名城ナノカーボン社製eDIPS EC-DXのカーボンナノチューブ(CNT)膜であり、これをAr雰囲気下1200~3000℃でアニールしたものを陽電子プローブマイクロアナライザーにてビームエネルギー10 keVで陽電子寿命測定を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

陽電子消滅法により数層CNT膜に含まれるナノ空間の計測を行ったところ、アニール温度の上昇(1200~3000℃)にともない、そのサイズ(Tao-Eldrupモデルに基づく球近似自由体積の半径)が0.42 nmから0.68 nmに徐々に増大することが分かった。一方、アニール前はそのようなナノ空間が検出されなかった。したがって、アニール(1200~1800℃)によりカーボン不純物が除去され、CNT間のナノ空間(interstitial channel)が利用可能となったことが示唆された。さらに高温のアニール(1900~3000℃)ではチューブ構造の消失と黒鉛化が進み、その構造の発達を反映したナノ空間が計測されたと考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

  


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Kazufumi Kobashi, Micro and macroscopic structure evolution of few-walled carbon nanotube bundled network by high temperature anneal, Carbon, 203, 785-800(2023).
    DOI: 10.1016/j.carbon.2022.12.011
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 小橋 和文、山崎 悟志、満汐 孝治、中島 秀朗、室賀 駿、森本 崇宏、大島 永康、岡崎 俊也、”高温アニールによる数層CNTバンドルネットワーク構造の進展”、第50回炭素材料学会年会(仙台)、令和5年11月29日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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