利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.29】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22AT0154

利用課題名 / Title

反応に不活性な熱分析容器の開発

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

示差走査熱量測定(DSC),シリカコーティング,過塩素酸アンモニウム


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

秋吉 美也子

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-031:原子層堆積装置_1[FlexAL]


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 示差走査熱量測定(DSC: Differential Scanning Calorimetry)で得られる発熱量(発熱分解エネルギー)と化学物質の火災・爆発性とには相関性が認められおり,DSCは従来危険性評価試験として使用されてきた。DSCは,極めて少量の試料で簡便かつ安全に化学物質の危険性評価を行うのに有効な手段とされる。容器としてはステンレス製耐圧容器を使用することが多いが,ステンレスなどの金属と反応する物質の危険性評価の判断は未だに課題として残されている。耐圧性があり,且つ,反応に不活性な材質の容器開発をすすめている。

実験 / Experimental

【利用した主な装置】
 原子層堆積装置[FlexAL]

【実験方法】
 DSC測定用耐圧ステンレス容器に,FlexAlを用いて,低温プラズマ法によりシリカ膜をコーティングさせた。ネジ蓋方式の容器を用い、膜厚は125nmとした。

結果と考察 / Results and Discussion

 Fig.1にはネジ蓋式ステンレス容器(内蓋ステンレス)に膜厚を変えてシリカコーティングした容器で過塩素酸アンモニウムのDSC 評価を行い, 得られた発熱量(QDSC)をまとめた。同図には,参考のためにガラス容器での評価結果(平均値)を点線で示す。発熱量のばらつきがあるものの, 平均値で整理すると125nm以上の膜厚ではガラス容器での発熱量(平均値1651 J/g)と同等となっている。容器状態を顕微鏡で観察(Photo1)すると,膜厚で傾向が認められる。125nm以上では膨張による火脹れ現象が観察される。即ち,圧縮応力が強く働いている。125nmではこれがはじける様相であるが,150nm以上でははじけず,膜と素材の間に赤さび液がひろがる。膜厚が厚くなるほど,赤さび液範囲が大きくなる様子が観察された。一方,100nmでは異なる腐食の様相である。QDSC値の傾向を鑑みると、125nm近辺をさらに詳細に評価する必要がある。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1 QDSC of Ammonium perchlorate obtained with silicate coating vessel:〇measurement value, ●average value



Photo1 Vessel after DSC measurement


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Miyako Akiyoshi, Study of a differential scanning calorimetry vessel coated with inert material, Journal of Thermal Analysis and Calorimetry, 148, 2139-2148(2022).
    DOI: doi.org/10.1007/s10973-022-11854-y
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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