【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.30】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22AT0421
利用課題名 / Title
ナノ流路を用いたポリマー系添加剤入り潤滑油の流動特性の把握
利用した実施機関 / Support Institute
産業技術総合研究所 / AIST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
ナノ流路,潤滑油,流動特性,高分子添加剤,摩擦,マイクロ流路群デバイス,ヘキサデカン,ポリメタクリレート(PMA)系添加剤
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
平山 朋子
所属名 / Affiliation
京都大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
本研究では、流体潤滑下で高分子添加剤が摩擦に与える影響を解明することを目的とし、マイクロ流路群デバイスに高分子添加剤を含む潤滑油を送液し、圧力-流量特性を評価した。まず、流体潤滑状態を模擬した理想すきまを実現するため、MEMS創成技術を用いてマイクロ流路群デバイスの作製を行った。極性基の量が異なる高分子添加剤を含む潤滑油を送液した結果、極性基の量に関わらず流量が低下した。また、極性基の量に関わらず、高分子添加剤を含む潤滑油送液後のデバイスに再び基油を送液すると、高分子添加剤含有潤滑油の送液前に得られた基油の流量よりも得られる流量は少なくなった。
実験 / Experimental
・利用した主な装置
【NPF011】i線露光装置
・実験方法
4インチシリコンウエハに対してi線露光装置を使用して流路形成用のレジストパターンを作製した。その後、自学にてエッチングおよび陽極接合を行ってマイクロ流路群デバイスを完成させ、潤滑油を送液した際の圧力-流量特性を評価した。
結果と考察 / Results and Discussion
完成したデバイスに基油のモデルであるヘキサデカンを送液した。流量の安定後、ポリメタクリレート(PMA)系添加剤をヘキサデカンに添加した潤滑油に切り替えたところ、流量が急激に減少する様子が確認された(Fig. 1)。これはPMAが流路壁面に吸着し、流路幅が減少したことを示している。この流量変化に対応するPMA吸着膜の膜厚は数十nmに及んでおり、PMAの分子量に対してかなり大きい値であった。再度ヘキサデカンに切り替えて送液した結果、元の状態と比較して流量がある程度戻る様子が確認された。以上の結果から、PMAが形成する吸着膜は単純な単分子膜状態ではなく、多層膜となっており、ヘキサデカンを再送した際に上層のPMAが洗い流されている可能性が示唆された。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig.1 Change in flow rate with PMA.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件