利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.26】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22AT0042

利用課題名 / Title

防汚剤塗膜表面分析

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

シリカ系親水膜,疎水性塗膜,SiOH基,SiOSi基,ペンタン


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

山中 健太郎

所属名 / Affiliation

信越化学工業株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-074:エックス線光電子分光分析装置(XPS)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 シリカ系親水膜をある試験条件で繰り返し処理した場合、その塗膜が劣化するためか短期間で親水性の低下が起こる。一方、一度の処理の途中で剥離しきる程度の疎水性塗膜を処理の度に親水膜上に塗工しておくと、親水膜の親水性が長期間維持されることを見出している。理由としては、疎水性塗膜との接触によって、親水性の発現に寄与する親水膜上のSiOH基が親水膜内部を向き、外部から保護され劣化が抑えられたからと推測している。SiOH基が親水膜内部を向くと、親水膜表面の組成はSiOSi基が主になると考えられる。この場合、XPSで表面分析を実施した場合に、O1sピークがシフトしている可能性があるので確認したい。

実験 / Experimental

【利用した主な装置】
【NPF074】エックス線光電子分光分析装置(XPS), 【NPF075】解析用PC(XPS用)

【実験方法】
 親水膜と疎水性物質との接触で起きる変化を簡易的に検証した。親水膜が塗工されたSUS小片を水中およびペンタン中に10日間浸漬し、これを分析直前に取り出してXPSで分析し、O1sピークを観察した。サンプルと分析条件は以下の通り。
  親水膜サンプル:A.水中浸漬, B.ペンタン浸漬
  分析条件:Al Kα線のモノクロナイズX線源を使用, X線強度 10 mA, 中和不要, Centre 533.85 eV, Width 18.3 eV, Step 0.1 eV, Dwell 256 ms, # Sweeps 1

結果と考察 / Results and Discussion

 XPSによる分析結果をFig.1に示す。ペンタンに浸漬した親水膜Bから検出されるO1sピークは、水に浸漬したAから検出されるピークと比較して低エネルギー側にシフトしていた。このシフトは親水膜上のSiOH基が疎水性物質と接触することで生じた変化に基づくシフトであると考えられるが、現段階ではこのシフトが何を意味するかまでは判断できない。想定したような、SiOH基が親水膜内部を向きSiOSi基が表面に多く露出したという変化を捉えている可能性はあるといえる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1  O1s spectra of hydrophilic coating A and B.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

参考文献:Y. Hayashi et al., Journal of the Ceramic Society of Japan 100 [8] 1038-1041 (1992)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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