利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.26】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22AT0344

利用課題名 / Title

KFM測定を利用した金属ナノシートガスセンサ内の温度計測

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

金属ナノシートガスセンサ,局所温度計測,表面電位,ケルビンプローブフォース顕微鏡 (KFM),パーフルオロデカンチオール (CxFx-SH)


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

加藤 太朗

所属名 / Affiliation

東京大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

内田 建

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-047:走査プローブ顕微鏡SPM_2[SPM-9600/9700]


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 表面に分子が化学吸着することで電気抵抗が変化する現象を利用した金属ナノシートガスセンサは,高電流密度の印加で発生するジュール熱を利用することで,低消費エネルギーでセンシング動作が可能である.ターゲットガスや用いる金属材料により,投入電力およびそれに伴う最適温度は異なるため,ジュール加熱時の金属ナノシート内の温度分布を知ることがセンサ実現に不可欠である.
 しかし,ナノスケールデバイスの局所温度計測,特にデバイス動作時の温度分布の取得は容易ではない.そこで今回,金属ナノシートの表面に自己組織化単分子膜 (Self-assembled monolayer: SAM) と呼ばれる大気中で長時間安定に吸着する分子を修飾し,ジュール加熱前後のデバイスの表面電位をケルビンプローブフォース顕微鏡 (KFM) で取得することで,温度分布を推定した.

実験 / Experimental

利用した装置:【NPF047】走査プローブ顕微鏡SPM_2[SPM-9600/9700]

 Si/SiO2基板上にTiN/Au:2/16 nmのナノシートを幅150 nmで作製し,続いてPt:18 nmの電極を作製した.SAM修飾には,1H,1H,2H,2H-パーフルオロデカンチオール (CxFx-SH) を用いて,1mMのCxFx-SH溶液に12時間ナノシートを浸漬することでSAM形成を行った.ジュール加熱時には,1.1mWの電力を15秒間デバイスに投入し,ジュール加熱前後のデバイス表面電位を走査プローブ顕微鏡で取得した.

結果と考察 / Results and Discussion

 Fig.1(a),(b) にジュール加熱前後のAuナノシートデバイスの表面電位像を示す.ジュール加熱前 (Fig.1(a)) は,AuナノシートおよびPt電極はCxFx SAMで修飾されており,それに対応した表面電位を示している.一方,ジュール加熱後 (Fig.1(b)) は,Auナノシートは基準電位 (0 V) と同程度の電位を示しており,SAMが完全に脱離していることが確認された.また,Pt電極上ではAuナノシートから電位が放射状に分布しており,ジュール加熱時の温度分布に応じてSAMが部分的に脱離していると考えられる.この結果から,SAMを用いることでジュール加熱動作時の温度分布を取得できると考えられる.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1: Surface potential images in the CxFx SAM-modified Au nanosheet device before (a) and after (b) Joule heating. 


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究はCREST (JST) の支援を受けたものである.
山崎将嗣様 (産総研NPF) に感謝します.


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. T. Kato et al., "Study on sub-100-nm-scale measurement of temperature distribution in Joule-heated Au nanosheet gas sensors using self-assembled monolayers as temperature probes", 7th IEEE Elecron Devices Technology and Manufacturing (EDTM) Conference 2023 (Seoul), 2023年3月7日-2023年3月10日(Accepted)
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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